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【地域別】葬儀の特徴~高知県編~

2021年4月15日

ども まことじいさんです。

葬儀の風習なんて、地元でも知っている人は少ないですよね。

じいさんは遠州地方(静岡県西部)在住ですが、元々は関東出身で遠州地方の風習に詳しくありませんでした。
母が亡くなった際に調べたところ、葬儀に関しても地方独特の風習があって驚きました。
通常、白木の位牌から本位牌への切り替えは四十九日の法要の時に行われますが、遠州地方では初盆から一周忌法要の間に行われます。

このような地方独特の風習はどの地方でも見られますが、知らない人も多く葬儀の際に慌てることもあると思いますので、まとめておこうと思います。
今回は高知県編です。

坂本龍馬の地元としても有名な高知県は四万十川をはじめとした天然の観光資源に恵まれた地域です。 
また、月の名所と呼ばれている桂浜では迫力満点の土佐の海を見る事ができます。

納棺までは生きている人と同様に

高知県では、納棺前の故人に対し、「生きている人」として接する風習があります。 

故人は普段と同じ布団に寝かせ「おはようございます」などと声をかけ、家族が食べるのと同じ食事を枕元に運びます。 

土佐郡の一部では、故人を病気で休んでいる人として扱い「養生見舞い」として故人の好物を用意し、ごちそうを作ります。 

「養生見舞い」を供える際には、家族みんなで「起きて食べませんか」と声をかけるようです。 

「いっぱい飯」を用意した釜は初七日まで使用しない 

故人の枕元に、枕飾りの供え物として、茶碗に山盛りにしたご飯に箸を差したものを供える「いっぱい飯」という習慣があります。 

この風習自体は、全国的にも各地で見られるものですが、高知県泉川地区では、この「いっぱい飯」を炊いた釜は、初七日まで使用してはいけないというしきたりがあります。 

講 

高知県では、近隣の10世帯ほどをまとめた「講」という組織があります。 

同じ「講」に含まれる家で不幸があった場合、「講」の人間も、葬儀の手伝いをすることが習わしとなっています。 

地域によっては、会社の仕事よりも、葬儀の手伝いを優先させることが当たり前だと考えられているため、他の地域から来た人は、戸惑うことも多いようです。 

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納棺の前日に添い寝する 

高知県では、納棺の前日に「故人を寂しがらせないように」という意味で、身内の人が故人に添い寝をするしきたりがあります。 

もともと通夜というのは、人が亡くなった時から告別式の朝まで営まれるもので、遺族は夜を徹して故人と最後の夜を過ごすものでした。 

しかし、葬祭儀礼の簡素化が進む現在では、行われることが少なくなっている習慣の一つです。

また、故人に添い寝するのは、故人の霊魂を遺族に継承させるためという説もあるようです。 

紋付き羽織 

古来より、「死」を日常のものと切り離すため、普段とは逆さまにして物事を行なう風習は、「逆さ事」として、日本各地でメジャーなしきたりとして行なわれてきました。 
 

高知県では、納棺の際、故人に紋付き羽織を身につけさせますが、その羽織を後ろ前にして着させる風習があります。 

また、同様に「逆さ事」として、逆さ屏風を立てる風習も残っています。 

食絶ち

高知県では、棺に故人が愛用していた羽織を裏返しにして、さらに上下を逆さまにしてかぶせ、その上には茶碗を載せる習慣も残っています。 

そして出棺の際に茶碗を割って羽織を3回振ります。 

茶碗を割ることを「食絶ち」、羽織を振ることを「お願いほどき」や「願ぶるい」、「棺ぶるい」と呼んでいます。 

どちらも「故人の現世への未練を絶つ」という意味合いがあり、羽織を振るのは故人が生前に神仏に願ったことを取り下げるという意味があるようです。 

また、土佐地域では、茶碗を割るときに「これでしもうた」と声に出して言うそうです。 

納棺時に煮た豆を入れる 

全国には、納棺の際、故人が生前愛用していた品物や、故人の好物などと合わせて、しきたりとして決まったものを入れる地域がありますが、高知県では、故人の棺に大豆や小豆を煮てから入れる習慣があります。 

大豆や小豆を、そのまま入れるのではなく、わざわざ煮てからいれる理由は「芽(目)が出ないようにする」ためと言われています。 

これは、故人が棺の中で目を開けないようにという意味で、故人に成仏して欲しいという遺族の願いが込められた風習です。 

仮門 

高知県では、出棺時の際に、棺を玄関ではなく「仮門」から出すという風習があります。 

人が出入りするところから出棺を行なうと、故人の魂がさまよって戻ってきてしまう可能性があるとの考えから行われる習慣のようです。 

『仮門』は、ワラやカヤ、葦、青竹などをアーチ状にして作ったものえ、縁側や庭先、玄関脇などに作られます。 

この『仮門』は、出棺が済んだ後、ただちに取り壊され、破棄・焼却処分されます。 
出入り口を破壊することで、故人の魂が無事に成仏できると考えられているようです。 

棺を蹴飛ばす 

高知県では、出棺の際、棺を蹴飛ばすという、かなり変わった風習が見られます。 

この棺を蹴飛ばすという風習は、「あなたには現世に居場所はないのですよ」と、故人に成仏を促すために行われる風習のようです。 

また、故人に魂を戻し、復活させるために棺を蹴飛ばすという説もあるようです。 

土葬 

日本は火葬大国といわれ、近年では亡くなった方の99.9%以上が火葬されますが、高知県の一部地域では、今でも土葬が多く行われているようです。 

高知県で土葬を行う場合は、墓穴が掘られると「おがみ石」と称して穴の周囲に河原で拾った小石をたくさん積む風習があるようです。 

また、高知県の西部地域では、墓地は小高い山の中腹にあり、葬列に参加した女性はたとえ家族でも、坂の下から引き返すというしきたりがあります。 

まとめ

現在では、生活スタイルの変化などに伴い、古くからの風習は都市部を中心に消えつつあります。
しかし高知県では、通夜や納棺など、土葬が多く行われて頃からの風習が、今も受け継がれているようです。

死を穢れとする考えは、神道由来のものですが、高知県はかつて廃仏毀釈が行われ、神道への改宗が進められたことから、神道の影響を強く受けているのも、特徴の一つです。

なお、今回は参列される方向けに記事を書いていますが、喪主の方は事前に多くの準備が必要となります。『【通夜・葬儀】事前に準備しておくべきこと』で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

もしこの記事が誰かの役に立てば幸いです。