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【地域別】葬儀の特徴~岩手県編~

2021年3月2日

ども まことじいさんです。

葬儀の風習なんて、地元でも知っている人は少ないですよね。

じいさんは遠州地方(静岡県西部)在住ですが、元々は関東出身で遠州地方の風習に詳しくありませんでした。
母が亡くなった際に調べたところ、葬儀に関しても地方独特の風習があって驚きました。
通常、白木の位牌から本位牌への切り替えは四十九日の法要の時に行われますが、遠州地方では初盆から一周忌法要の間に行われます。

このような地方独特の風習はどの地方でも見られますが、知らない人も多く葬儀の際に慌てることもあると思いますので、まとめておこうと思います。
今回は岩手県編です。

不幸を知らせる

岩手県では、不幸があった際は男性が二人一組になり知らせて回る風習があります。

これは、通夜・葬儀の日時を間違いなく伝えるためのものと言われています。

火葬

東北地方や北海道の一部では通夜・葬儀の前に火葬してしまう『前火葬』が行われますが、岩手県でも火葬後に骨葬を行うことが多いです。

岩手県では漁師町も多く、一度漁に出てしまうとすぐには戻れません。
また、雪深い地域であることから親族が揃うまでに時間がかかることも多く、通夜・葬儀前に火葬してしまう『前火葬』の風習が生まれたものと思われます。

『前火葬』の場合、最後のお別れにお顔を拝むことが出来ません。

お顔を見てからお別れしたい場合は、事前に火葬のタイミングを確認しておく必要があります

亡くなってから葬儀まで

前述した通り、親族が揃うまでに、時間がかかることが多かった岩手県では、亡くなってから葬儀まで3~5日ほど間が空くことが多いです。

火葬の前日に、近親者のみで通夜を行いますが、その後も葬儀まで複数回通夜を行います。

沿岸部の地域では、葬儀まで毎晩供養の念仏を唱える『お逮夜』が行われます。

通夜の参列について

岩手県では通夜に参列するのは、招待された近親者のみで、招待されていないにも関わらず参列するのは失礼とされています。
また、通夜が数回にわたり行われ通夜振舞いも複数回になるため、香典とは別に『お夜食料』を包む必要があります。

釜石市周辺では通夜の際に僧侶による読経がなく、時間も決まっていません。参列者が途切れるまで通夜が続き、場合によっては深夜に及ぶこともあるようです。

葬儀の特徴

入場の順番

一般的には葬儀場には遺族が先に入り、その後参列者が入場しますが、岩手県では逆の場合が多いです。

一般参列者が先に入ったのちに、遺族と僧侶が入場する流れとなります。

頭陀袋に大金を入れる?

葬儀の際、他の地域では経帷子の頭陀袋に、三途の川の渡し賃として六文銭が書かれた紙を入れますが、岩手県では現代的に『百万円』などと書いた紙を入れます。

最近では『一千万円』や『一億円』など高額化が進んでいるようです。

また、一部地域では本物の小銭を入れることもあるようで、これはあの世で金銭に困らないようにとの願いが込められたものです。

小銭の他にも大豆、蕎麦、稗、粟の五穀を混ぜ合わせて入れる地域もあります。

繰り下げ初七日

最近では葬儀の簡素化に伴い、葬儀後に初七日の法要を行うことも増えていますが、岩手県では逆に、初七日の法要を四十九日の法要に合わせて繰り下げて行います。

これは、まだ交通の便が悪かった頃に、何度も足を運んでもらうのは申し訳ないとの考えから生まれた風習のようです。

納骨

東北の他県でもみられる風習ですが、岩手県でも葬儀後にそのまま納骨することが多いようです。

山間地では午前中に火葬を行い、午後に葬儀・告別式から納骨まで済ましてしまう事もあります。
これは、長く土葬の習慣が根付いていたことに由来する風習のようです。

岩手県では、通夜・葬儀だけでなく、火葬にも参列者が同行しますので、斎場での飲食も大勢が参加します。

また、一部地域では火葬の後、直接骨壺に入れずに一旦自宅に持ち帰る風習があります。

地域による違い

岩手県では自宅で通夜・葬儀が行われることも多いですが、盛岡地方の葬儀・告別式は自宅や葬儀場ではなく、寺院で行われることが多くあります。

また大船渡市盛町では葬儀後の会食に蕎麦と餅が出され、これを「落ち着き」と呼びます。

釜石市では、遺骨を墓に入れる前に近親者が頭に白い布を被り、遺骨を持った人を先頭に輪を描くように3周歩くという風習があります。

まとめ

岩手県は北海道に次いで面積が広いため、沿岸部や内陸部、山間部などにそれぞれの環境に合った葬儀文化があります。

他の地域の方から見ると奇異に思えるような習慣も、実はきちんとした意味があり、理にかなったものです。

葬儀までの期間が長く数日間にわたってお逮夜を行うのも、故人を偲び親族を思いやってのことなので、暖かい気持ちを感じさせる良い風習ではないでしょうか。

なお、今回は参列される方向けに記事を書いていますが、喪主の方は事前に多くの準備が必要となります。『【通夜・葬儀】事前に準備しておくべきこと』で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

もしこの記事が誰かの役に立てば幸いです。