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【地域別】葬儀の特徴~秋田県編~

2021年3月4日

ども まことじいさんです。

葬儀の習慣なんて、地元でも知っている人は少ないですよね。

じいさんは遠州地方(静岡県西部)在住ですが、元々は関東出身で遠州地方の風習に詳しくありませんでした。
母が亡くなった際に調べたところ、葬儀に関しても地方独特の風習があって驚きました。
通常、白木の位牌から本位牌への切り替えは四十九日の法要の時に行われますが、遠州地方では初盆から一周忌法要の間に行われます。

このような地方独特の風習はどの地方でも見られますが、知らない人も多く葬儀の際に慌てることもあると思いますので、まとめておこうと思います。

今回は秋田県編です。

訃報

秋田県では、男性二人が一組になって訃報を知らせて回る風習があります。

こういった習慣は岩手県でも見られます。

また、他の地域では見掛けることが少なくなった、新聞の「おくやみ欄」を利用しての告知も一般的です。
東北地方では全般的に、他の地方では利用されることが少なくなった新聞の訃報欄を利用しての告知が多く利用されているようです。

枕飾り

枕経を授けてもらう前に、故人の枕元に枕飾りをおこないますが、秋田県では串に白い紙を散らした「四華花」と呼ばれる造花を飾ることが多く、枕団子を飾る地域もあります。

県北の能代周辺では屏風で故人の遺体を見えないように遮り、屛風の手前に枕飾りを設置します。

通夜

秋田県では県央の一部を除き、一般的な通夜式は行わないことが多いようです。

葬儀の前夜に近親者のみで通夜は行いますが、僧侶を招いての通夜経も行うことは少なく、身内だけでひっそり故人を偲ぶことが多いです。

一部地域では、青森県の『もがり』のように、近親者が故人に添い寝する習慣もあるようです。
一方、県央部の由利本荘市周辺では、他の地域と同様に通夜式を行い、葬儀よりも通夜の方が参列者が多いこともあります。

通夜式を行わない地域では、葬儀前日に納棺の儀を行うことも多いです。

納棺の儀とは

通常、納棺は通夜の前に納棺師が行うことが多いですが、秋田県では湯灌も近親者の手でしっかりと浄め、納棺師と共に経帷子の着付けも行います。

まさに『おくりびと』の世界ですが、県南地域では通夜を行う習慣がなく、納棺の儀が通夜代わりとなることもあり、重要な儀式なため遺族だけで行われることも多いようです。

葬儀の日取りの決め方

全国的に、友引の日に葬儀を行うことを避ける傾向が強く、斎場も休みを取ることが多いですが、秋田県では丑の日と寅の日も避けられます。

丑は他の者を引いて行ってしまう事から、寅は千里行って千里戻るとの言い伝えにより、あの世から戻ってきてしまうとの考えから、それぞれ避けられているとの事です。

火葬

秋田県では、東北地方の各県や北海道南部にみられる『前火葬』が主流で、基本的に骨葬となります。

一部地域では出棺から火葬、葬儀、取り越し法要まで一日で済まして、納骨も当日中に行ってしまいます。

『前火葬』の場合、最後のお別れにお顔を拝むことが出来ません。

お顔を見てからお別れしたい場合は、事前に火葬のタイミングを確認しておく必要があります。

葬儀

秋田県の葬儀自体は、他の地域と基本的には変わりませんが、焼香に特徴があります。

焼香盆が用意されているので焼香の際に数十円の小銭を入れる風習があります。
これは、故人への餞別としての意味合いがあり、あの世で困ることが無いようにとの思いが込められています。

葬儀の前後に中陰法要が行われますが、県南地域では五七日(35日)法要が行われ、四十九日の法要を兼ねて忌明けとする場合もあります。

その後に初七日の法要を行い、お斉または直会(会食)のあと納骨に向かいます。(県南地域では三七日に仏送りをして納骨します)

秋田県では、前火葬が主流ですので、葬儀も骨葬になりますが、祭壇に安置されるのは骨壺ではなく骨箱を用いることが多いようです。

香典返し

秋田県では、葬儀の参列者に1000~2000円ほどの返礼品を渡すことによって、香典返しとすることが多いです。

北秋田市では返礼品に白砂糖を用いるなど、地域によって返礼品にも特徴がありますが、全般的に相互扶助の考えから改めて香典返しをすることは少なく、大館地域ではお互い様の気持ちから返礼品が無い場合があります。

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ゆどき

秋田県では地域住民の集まりを「念仏講」と言います。

葬儀が終わったのち念仏講が遺族を労う『ゆどき』という習慣があります。
ゆどきでは地域の年長者が御詠歌(仏の教えを短歌にしたもの)を歌い、念仏を唱えます。

この辺りにも、厳しい気候の中で助け合いながら生き抜いてきた地域での、相互扶助の精神がが現在まで脈々と続いている事を感じさせます。
ゆどきの習慣はお隣の青森県でもみられます。

まとめ

秋田県も東北地方の他県と同様、厳しい気候の中での生活になるため、相互扶助の意識が高く合理的な習慣が多くみられるのが特徴的です。
特に地域の集まりである念仏講などは、雪深い地域で身を寄せ合うようにして生き抜いた先人の姿を彷彿とさせますね。

核家族化などの影響で、地域住民の関係性が希薄になりがちな現代ですが、秋田県では人の繋がりが強く残っている地域も多いようですね。

なお、今回は参列される方向けに記事を書いていますが、喪主の方は事前に多くの準備が必要となります。『【通夜・葬儀】事前に準備しておくべきこと』で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

もしこの記事が誰かの役に立てば幸いです。