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【家族葬】なぜ葬儀費用の総額は結局100万円になってしまうのか

2021年6月7日

ども まことじいさんです。

参列者を50名以下に絞った『家族葬』プランの相場は40万円前後と言われていますが、結局のところ葬儀社への支払総額が100万円前後になってしまうことが多いようです。

40万円前後の『家族葬』プランには、葬儀に必要不可欠なものはすべて含まれているのに、支払総額が100万円になってしまう理由は主に二つです。
その理由の一つは、葬儀に付随する飲食費や引き出物の費用が加算されることにあります。
そしてもう一つの理由は、何事においても中庸を好む日本人の気質にあるようです。

あなた自身がアンケートに答える場面を想像してみて下さい。「不満」「満足」よりも「どちらかというと不満」「どちらかというと満足」「どちらとも言えない」など、中央寄りの選択肢を選ぶことが多いのではないでしょうか?
こういった日本人の気質により、葬儀費用は高くなるシステムになっているのです。

そこで今回は、葬儀費用総額の内訳と、どのように葬儀費用が高くなっていくのかについて書いていきたいと思います。
無駄に費用を高騰させないための参考になると思いますますので、ぜひ最後までお読みください。

葬儀費用総額の内訳

最近では『家族葬』一式40万円などという表示を目にすることも多いですが、この金額は葬儀費用総額の一部にすぎません。一般的な仏式の葬儀を行うために必要になる費用の内訳は、以下のようになります。

  • 葬儀一式の費用
  • 葬儀に伴う飲食接待費
  • 僧侶へのお布施
  • オプション追加費用
  • 火葬費用

葬儀に必要不可欠なものについては【葬儀費用比較のポイント】後悔しない葬儀社選びの方法で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

それでは、葬儀一式の費用以外の費用について詳しく見ていきましょう

飲食接待費

日本の多くの地域で、葬儀を行う際に「通夜振る舞い」や「精進落とし」といった形で、参列者に食事を提供する習慣があります。
かつては、事前に料理店などを予約することが多かったのですが、最近では「移動する必要がない」などの理由から、葬儀式場に併設された飲食スペースを利用するケースが増えています。

葬儀社に手配を依頼した場合、「通夜振る舞い」は一人前3500円前後~、「精進落とし」は一人前5000円前後が相場となっていますので、参列者が30人の場合は

通夜振る舞い→3500円×30人で105,000円
精進落とし→5000円×30人で150,000円
合計で255,000円となります。

また、受付でお香典を受け取った際に渡す「会葬礼状」については葬儀一式に含まれていることが多いですが、一緒に渡す「会葬返礼品」は別途に費用がかかります。お香典は基本的に家族ごとに出しますので、参列者の半分と想定して、葬儀社に1,000円の「会葬返礼品」の手配を依頼した場合は

改葬返礼品1000円×15個で15,000円となります。

さらに、最近では引き出物を渡すことで「香典返し」の代わりとするケースが多いようなので、葬儀社に4,000円の「引き出物」の手配を依頼した場合

引き出物4000円×15個で60,000円となり、以上を全て合計すると330,000円が葬儀一式の費用に加算されます。

お布施

家のお墓が寺院に建てられていて、寺院の檀家になっている場合は、菩提寺の僧侶に葬儀一式(戒名授与・通夜読経・告別式読経・式中初七日読経・炉前読経)を依頼することが多いでしょう。
お布施の相場は寺格や宗派・地域によって20~50万円と幅があるため、寺院に確認する必要があります。

ただし、菩提寺を持たない方は、葬儀社に寺院手配を依頼すれば、葬儀一式16~18万円ほどの負担で利用できることがあります。
*菩提寺を持つ方が葬儀社の寺院手配を依頼した場合、お墓に納骨できないなどのトラブルも発生していますので、事前に菩提寺に相談しておいた方が無難です。

火葬費用

火葬費用は、地方などでは自治体が運営している公営斎場を、無料で利用できる地域もあります。
しかし、東京23区内では公営の火葬場が少なく、利用可能な対象地域が限られていることから、ほとんどの方は民営の火葬場を利用することになります。

東京都23区内の民営火葬場の利用料金は、75,000円~となっており、場合によっては10万円以上かかることもあります。

利用者が多いオプション

家族葬を専門に扱っている葬儀社の『家族葬』プランを利用すれば、葬儀そのものは問題なく行えるのですが、40万円前後の『家族葬』プランでは葬儀内容を必要最小限に絞ることで低価格を実現しているため、どうしても全体的に質素になります。

そのため、葬儀社ではオプションを用意して、遺族の希望によって追加することが出来るようになっていますが、ここで中庸を好む日本人の気質が発揮されてしまうのです。

祭壇

家族葬専門の葬儀社では、基本プランに2m×2m(二段)のこじんまりとした花祭壇が含まれていることが多いですが、ほとんどの葬儀社で祭壇をグレードアップするオプション(5~20万円の追加)が用意されており、利用される方も多いようです。

かつての一般的な葬儀では、参列者も多く式場も広かったため、横幅が4m以上ある祭壇を利用することも多かったので、その時代を知っている方にとっては2m×2mの祭壇は、少し物足りなく感じるようですね。

『家族葬』プランで利用される棺は、最も原価が低い木製の質素なものが多く、布張りの棺を利用する場合はオプションで追加することになります。「木製の棺」「白い布張りの棺」「装飾性の高い棺」の順に値段が上がっていきますが、多くの方が真ん中の「布張りの棺」を選ぶようです。

海外のキリスト教やイスラム教が主流の国では、ほとんどの方が土葬なので棺にこだわるのは理解できます。
しかし、火葬率が100%近い日本では棺にこだわる必要もないと思いますが、追加費用を払ってでも真ん中のクラスのものを選んでしまうのは、日本人のさがでしょうか。

追加費用の相場は5~10万円ほどです。

実は、じいさんの妹が亡くなった時も、オプションで「布張りの棺」を追加しました。

マイクロバスの手配

意外と盲点になっているのが、火葬場と式場の往復に利用するマイクロバスの費用です。
現在では、葬儀当日に初七日の法要を行うことも多く、いったん火葬場に行ったあと式場に戻って式中初七日を行うケースもあります。また、葬儀社に「精進落とし」の手配を依頼した場合も、火葬後に式場に戻る必要があります。

地方では、ほとんどの方が車で来場しますので、各自の車で移動すればよいのですが、都市部では公共交通機関を利用する方も多いので「マイクロバスの手配」を依頼する方も多いでしょう。

追加費用の相場は7万円前後となっています。

湯灌・納棺師・ラストメイクなど

地域によっては、納棺の前に遺体を清める「湯灌」の習慣が残っています。
ご遺体の全身を湯船に浸して洗い清める「湯灌」と、ご遺体を布で拭き清める「古式湯灌」の二種類ありますが、基本プランには含まれていないことが多いです。

現在では約8割の方が病院で亡くなると言われていますが、ほとんどの病院で遺体をアルコールで清拭したり衣服を整えたりする「エンゼルケア」を行うため、「湯灌」を必要とするケースは多くありません。しかし、最後のお別れ前の大切な時間として、利用する方も多いようです。

「湯灌」の費用は10万円前後、「古式湯灌」の費用は5万円前後に設定している葬儀社が多いです。

また、映画「おくりびと」で有名になった納棺師の手配も、オプションで利用することが出来ます。
仏式での葬儀の場合、亡くなった方は「経帷子」と呼ばれる旅支度の死装束に着替えるのですが、その着替えを家族が参加して「納棺師」と共に行うのが『納棺の儀』といわれる葬送儀式です。

納棺師を手配した場合は、前述した「湯灌」や、故人を生前の姿に近づけるようなラストメイク(死化粧)までセットでオプションになっていることも多く、その場合の費用は15~20万円ほどに設定されていることが多いようです。

まとめ

葬儀社との打ち合わせでは、担当者から「このあたりでは、このくらいが普通です」「多くの方が、このオプションを追加されます」などと言われることが多いですが、気にする必要はありません。実際には、人によって価値観は異なりますので「普通」などというものは存在しないと思います。

この『普通』という言葉に惑わされてオプションをどんどん追加してしまうと、40万円前後の『家族葬』プランを選択しても、葬儀社への支払総額は軽く100万円を超えてしまいます。さらに、寺院の檀家になっている方は、この金額に数十万円のお布施が加わりますので、葬儀費用総額は150万円近くかかることもあります。

じいさんの個人的な意見ですが、葬儀とは亡くなった方のためのものであると同時に、残された遺族のためのものでもあると思います。葬儀で故人の冥福を祈るのは当然ですが、葬儀を行うことで遺族の精神面での救いになることもあるような気がします。

大切な人を失ったとき、残された遺族の心には、多かれ少なかれ後悔の気持ちが生まれます。少なくともじいさんは、苦労して葬儀を滞りなく終えたことで、亡くなった母への償いになると感じました。

無宗教の方で、葬送儀式は不要という考えなら、火葬のみの『直葬』でも十分かもしれませんし、戒名を付けなくても公営・民営の霊園なら納骨できます。
また、費用をかけても可能な限り華やかに丁寧に送り出したいと考える方は、オプションを利用して豪華な式を行えば良いと思います。

『普通』という言葉に惑わされることなく、出来るだけ希望に沿ったかたちで葬儀を行える葬儀社を選び、しっかりと打ち合わせすることをオススメします。

なお、葬儀社の選び方については【タイプ別】あなたに合った葬儀社の選び方で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

もし この記事が誰かの役に立てば幸いです。