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【地域別】葬儀の特徴~徳島県編~

2021年4月13日

ども まことじいさんです。

葬儀の風習なんて、地元でも知っている人は少ないですよね。

じいさんは遠州地方(静岡県西部)在住ですが、元々は関東出身で遠州地方の風習に詳しくありませんでした。
母が亡くなった際に調べたところ、葬儀に関しても地方独特の風習があって驚きました。
通常、白木の位牌から本位牌への切り替えは四十九日の法要の時に行われますが、遠州地方では初盆から一周忌法要の間に行われます。

このような地方独特の風習はどの地方でも見られますが、知らない人も多く葬儀の際に慌てることもあると思いますので、まとめておこうと思います。
今回は徳島県編です。

阿波踊りで有名な徳島県は、四国地方の中で最も関西圏と近いため、関西圏の影響を受けた文化が、たくさんあることでも知られています。
地理的には、瀬戸内海、太平洋、紀伊水道など海沿いの地域があれば、山岳地帯もあるため、地域によって葬儀の風習にも違いがみられます。

また、徳島県には四国八十八ヶ所霊場のうち、24ヵ寺があり、弘法大師を開祖とする、真言宗のお寺が多いことから、仏式の葬儀を行う人の約7割が真言宗であると言われています。

はさみと針と糸

納棺の際に棺に入れる副葬品には、各地域により特徴がありますが、徳島県では、故人があの世で使用する裁縫道具として、はさみと針と糸が入れられるようです。

棺に刃物を入れる習慣は、他の地域でもみられますが、だいぶ意味が異なります。

かつては、納棺する前に行われる湯灌の際に、男性は髭を剃り、女性は髪の毛を切りました。

その名残として、現在では、棺にカミソリやハサミを入れるようになったようです。

棺に刃物を入れるという、似た習慣ですが、その意味合いは大きく異なるようですね。

徳島県を含む四国全域では、葬儀の際に助け合う『組』や『講』という近隣住民の相互扶助組織があります。

『組』の人たちは組内で不幸があると、葬儀の際の受け付けや会計、配膳などの手助けを行います。

地域によっては、仕事よりも葬儀の手伝いが優先されることもあるため、他の地域から来た人は、戸惑うことも多いようです。

夜伽見舞い(よとぎみまい)

徳島県では、近親者が通夜に参列する際、香典とは別にお菓子や果物、酒を持参する『夜伽見舞い』『通夜見舞い』の風習があります。

通夜式が終わった後に、「遺族が食べたり、飲んだりしながら、最後の夜をゆっくり過ごして欲しい」「通夜・葬儀と忙しく大変な遺族に、少しでも夜食として食べてほしい」などの参列者の思いが込められた習慣です。

また、通夜振る舞いを受けた親族などは『夜伽見舞い』として、食事代に見合った現金を包むこともあるようです。

通夜振る舞い

徳島県では、通夜式を済ませたあと、一般の参列者を交えて、「通夜振る舞い」を行います。

徳島県の通夜振舞いは、『きつねうどん』が定番となっているようです。

うどんは、あまり手間がかからない料理であることから、遺族の負担にならない通夜振舞いとして定着したようです。

不思議なことに、讃岐うどんで有名なお隣の香川県では、通夜振る舞いでうどんを食べる習慣はないようです。

送り飯

四国地方では、通夜は故人を布団に横たわらせて行い、納棺は通夜の翌朝、葬儀の前に行うのが一般的です。

徳島県徳島市では、通夜の翌朝に、遺族が全員揃って朝食を食べる『送り飯』と呼ばれる風習があり、遺族は力をつけてから葬儀に臨むようです。

放生

徳島県では葬儀の際に、捕まえた鳥や魚を逃がす「放生」を行う風習があります。

仏教の儀式、「放生会(ほうじょうえ)」から生じた儀式で、捕らえられた生き物を放すことで徳を積むと考えられています。

遺族が徳を積むことで、「故人があの世で良い暮らしができますように」という遺族の願いが込められた風習です。

野辺送り

徳島県の一部の地域では、霊柩車と並んで『野辺送り』のように歩く風習が見られます。

『野辺送り』とは、かつて土葬が一般的だった時代に行われていた風習で、遺族や参列者が仏具などを持って葬列を組み、墓地まで棺を運んでいました。

火葬が主流となった現在では、行われることが少なくなっている風習です。

徳島県では、出棺の際に故人を乗せた霊柩車が徐行運転をし、その後を、葬列を組んでしばらく歩きます。

また、自宅の玄関や、お葬式の式場の出口から霊柩車まで、葬列を組むこともあるようです。

茶碗割り

西日本では、出棺の際に生前に故人が愛用していた茶碗を割る風習がありますが、徳島県でも同様の習慣があるようです。

これは、故人の茶碗を割ることで、この世への未練を断ち切り、迷わず成仏して欲しいとの遺族の願いから生まれた風習と言われています。

また、出棺の際に藁などを燃やして送り火とする習慣も、西日本の他県と同様に徳島県でも行われているようです。

まないた直し

徳島県では「精進落とし」のことを「まないた直し」と呼びます。

かつては四十九日の法要を済ませたのち、忌明け後に生ものを食べる習慣があり、故人が亡くなってから四十九日法要までの間に、まな板を削っていたことから生まれた習慣のようです。

御六日(おむいか)法要

徳島県では初七日法要を「御六日法要」と呼び、葬儀当日に行いますが、このとき49個の餅を供え、精進落としの時に遺族や親族で分けて食べる風習があります。

日本では古来より、白という色には、穢れを浄める力があると考えられてきたため、葬儀や法事の際に餅を食べる習慣は、全国各地に残されています。

竹の馬

一般的に、火葬場から戻り自宅の玄関をまたぐ前に、塩でお浄めをすることが多いですが、徳島県には、竹で作られた小さな馬をまたいでから、清めの塩を使い、家に入るという風習があります。

同様の習慣は、お隣の香川県など四国地方の各地で行われているようです。

まとめ

徳島県の葬儀の習慣は、全体的に西日本全般にみられる風習が多く残されており、特に関西圏の文化的影響を強く受けているようです。
しかし、周囲を山と海に囲まれている地理的要因から、独特の習慣もみられます。

なお、今回は参列される方向けに記事を書いていますが、喪主の方は事前に多くの準備が必要となります。『【通夜・葬儀】事前に準備しておくべきこと』で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

もしこの記事が誰かの役に立てば幸いです。