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【地域別】葬儀の特徴~山梨県編~

2021年3月21日

ども まことじいさんです。

葬儀の風習なんて、地元でも知っている人は少ないですよね。

じいさんは遠州地方(静岡県西部)在住ですが、元々は関東出身で遠州地方の風習に詳しくありませんでした。
母が亡くなった際に調べたところ、葬儀に関しても地方独特の風習があって驚きました。
通常、白木の位牌から本位牌への切り替えは四十九日の法要の時に行われますが、遠州地方では初盆から一周忌法要の間に行われます。

このような地方独特の風習はどの地方でも見られますが、知らない人も多く葬儀の際に慌てることもあると思いますので、まとめておこうと思います。
今回は山梨県編です。

無尽・隣組

山梨県では、各市町村にある自治会を構成する『隣組』の活動が盛んで、冠婚葬祭では組による相互扶助がおこなわれています。

隣組』や『無尽』といった、人との繋がりが強く支え合う文化が根付いているため、葬儀の参列者数が多くなっています。

仕事よりも組の葬儀の手伝いを優先する風習は、他地域から転入してきた人にとっては理解しづらい慣習かもしれません。

男性は葬儀会場や受付などの準備、女性はお斎(精進落としの会食)など食事の準備と、喪家や弔問客のお世話をします。

地域によっては、喪家が属する組の人の家で、故人を偲んで会食がおこなわれます。
これは土葬が主流だった時代に、葬儀を出す家での食事を禁忌とされていた名残のようです。

無尽とは

『無尽』とは月1回程度、特定のメンバーで集まって食事や飲み会を催し、食事代とは別にお金を出し合って積み立て、メンバーが順番に使ったり、グループの目的のために役立てたりするというものです。

山梨県では一人当たり平均3~4種類の『無尽』の集まりに参加しているようで、『無尽』の食事会や飲み会などに関しては、奥様も旦那さんを気持ちよく送り出しているようです。

もちろん女性の無尽の集まりもあり、こちらは「女子会」のような感じで、奥様方の気晴らしにもなっているようです。

昼花火

山梨県山梨市上岩下では、ある程度の高齢者の人が亡くなったときは、同じ地域に住む人に知らせるため、運動会などでよく見かけるドンっといった大きな音を鳴らします

大切な人が亡くなって悲しいといった意味合いの音ではなく、人生を全うした人への気持ちをこめた音であり悲しいことではないという考えのようです。

参列者は帳場(受付)で記帳を行い、香典袋は使わずに現金を添えて渡すのが一般的です。

表飾り

山梨県では忌中札の代わりに門牌・名旗・提灯・龍頭・五色旗などといった表飾りをする風習があります

門碑とは、亡くなった人の戒名を書いた立て札で「亡くなった人の供養布施を行います。どうぞお寄り下さい。」と伝える意味があるようです。

また、龍頭は、山から取ってきた2メートルぐらいの木や竹さおの先端に、龍の頭にあたるものをつけ、天蓋をつり下げます。

龍頭の役割は、邪・悪霊を追い払うというもので、山梨県では昔からある風習です。

喪主が複数人

富士吉田市や都留市の葬儀では、故人の配偶者だけでなく息子や娘も喪主となるため、喪主が複数人存在することはそう珍しいことではないようです。

また、香典を受け取る帳場(受付)も喪主の人数に合わせて設置されており、手続きが煩雑にならないように香典袋を使用しないのが特徴です。

帳場分の枚数の伝票に、住所・氏名・金額を書いて現金を添えて渡します。

玄米団子

山梨市の一部地域では、玄米で枕団子を作ります。
玄米で作った黒い団子を、茶碗に盛って枕膳に供えます。

黒い餅、玄米で作った団子を茶碗に入れることは非日常であり、葬儀であることを際立たせて日常から切り離しているようです。

埋葬

火葬

山梨県の通夜・葬儀はともに自宅でおこなうことが多く、葬儀の前に火葬を行う『前火葬』が主流です。

『前火葬』の場合、通夜→火葬→葬儀告別式→繰上げ法要(初七日)の順に行われ、葬儀は遺骨を祭壇に安置する『骨葬』となります。

通夜の翌朝に火葬を済ませ、続けて葬儀告別式を執り行うのが一般的で、火葬と葬儀の合間に、食事を済ませることもあります。

『前火葬』の場合、葬儀に際にはすでに遺骨になっているため、最後のお別れに顔を見ることが出来ません。

故人との対面を希望する場合には、訃報を受けた際に火葬のタイミングを確認しておくことが必要です。

山梨県内でも甲府市では、『前火葬』を行う地域と、葬儀の後に出棺する一般的な『後火葬』を行う地域が混在しているようです。

土葬

日本では、ほとんどの地域で火葬が当たり前のように行なわれていますが、山梨県の一部地域では、今でも土葬での埋葬が行なわれています。

日本は火葬大国で、全国の埋葬における火葬の割合は99%を超えています。

しかし、山梨県の火葬率は6割程度で、約4割ほどは土葬により埋葬されています。

山梨市には、神道専用の土葬可能な霊園があり、北杜市と南アルプス市の霊園では一般的な土葬が可能です。

また、甲州市塩山地区には、イスラム教徒専用の土葬墓地があります。

土葬の場合、葬儀が済むと遺族が隊列を組んで、リヤカーなどで遺体を墓地まで運び、棺ごと埋葬されます。

出棺

供人形

一般的に、友引の日には葬儀を執り行わない習慣があります。
これは、身近な人があの世に引き寄せられてしまうことを、避けるためと言われています。

しかし、山梨県では、友引であっても葬儀を営むことが多いようです。

ただし、友引に葬儀を行なう場合は、棺に故人と一緒に人形を入れる風習があります。この人形は『供人形』と呼ばれ、人間の身代わりになるとされています。

仮門

山梨県の一部地域では、玄関以外の場所に『仮門』を作り、そこから出棺を行うという風習があります。

これは、亡くなった人が、迷うことなく無事成仏を果たせるように、との願いが込められているしきたりで、東北地方など、他の多くの地域でも見られる風習です。

『仮門』は、縁側や庭、玄関脇などにアーチ状のものを作ります。
材料は、カヤやワラ、葦(あし)や青竹など、地域によって違いが見られます。

無事出棺が済んだあとは、仮門はすぐに壊されてしまいます。
こうすることで、故人の魂が戻ってこられないようにするのです。

出棺時に棺をぐるぐる回す風習がある

山梨県大月市では、出棺の際に親族が棺を抱え、3回ぐるぐると回す『3回回し』や『棺回し』と呼ばれる風習があります。

棺を回すことにより故人の方向感覚を狂わせ、家に戻ってこられないようにするためと言われています。
やはりこの風習も、故人が無事に成仏出来るようにとの願いが込められでいるようです。

御詠歌

山梨県では出棺の際に、近隣の高齢者の集まりである「念仏講」によって『御詠歌』が歌われる風習があります。

『御詠歌』とは、仏様の教えを和歌にした、日本らしい穏やかな歌で、地域によっては鳴り物を使う場合もあります。

初七日御膳

山梨県の一部の地域では、初七日の法要の際に『初七日御膳』をするところもあります。

『初七日御膳』というのは、初七日に集まってくれた親族に、遺族が食事を振舞うというものです。

場合によっては、葬儀の手伝いをしてくれたご近所さんなどが招かれることもあり、招かれた場合は遺族の負担にならないように、香典と一緒に食事代に相当する額を渡す人もいます。

現在では、葬儀・告別式の後に初七日の法要を繰り上げて行うことが多いため、一般的な精進落としの会食と同じような意味合いになっていることも多いようです。

霊供膳

真言宗の霊供膳 こちらが正面

法事で仏壇に供える御膳は『霊供膳』と呼ばれ、各宗派で配置が違います。

故人と一緒に食事をするような感覚で供えるため、お膳の向きも大事です。

祭壇や仏壇から見て正面を向くように配置するのが一般で、初七日が終わってからも四十九日まで七日ごとにお供えします。

まとめ

現在では、大都市圏を中心に地域の繋がりが希薄になってきていますが、山梨県では『隣組』や『無尽』などの地域の相互扶助の関係が今でも残っており、それによって数多くのお祭りと昔ながらの葬送習俗も受け継がれているようです。

また、土葬の習慣が比較的多くの地域に残っているのも特徴的ですね。

なお、今回は参列される方向けに記事を書いていますが、喪主の方は事前に多くの準備が必要となります。『【通夜・葬儀】事前に準備しておくべきこと』で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

もしこの記事が誰かの役に立てば幸いです。