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【地域別】葬儀の特徴~滋賀県編~

2021年4月2日

ども まことじいさんです。

葬儀の風習なんて、地元でも知っている人は少ないですよね。

じいさんは遠州地方(静岡県西部)在住ですが、元々は関東出身で遠州地方の風習に詳しくありませんでした。
母が亡くなった際に調べたところ、葬儀に関しても地方独特の風習があって驚きました。
通常、白木の位牌から本位牌への切り替えは四十九日の法要の時に行われますが、遠州地方では初盆から一周忌法要の間に行われます。

このような地方独特の風習はどの地方でも見られますが、知らない人も多く葬儀の際に慌てることもあると思いますので、まとめておこうと思います。
今回は滋賀県編です。

滋賀県は、淡水魚の宝庫として知られ、十数種の固有種が生息する琵琶湖を有する県です。
また、かつては若狭湾と京・大阪をつなぐ中継地として、重要な役割をもった土地として知られていました。

悔やみ受け

滋賀県には『悔やみ受け』という風習があります。

『悔やみ受け』とは、お通夜の前や葬儀・告別式の日の早朝に、近所や町内の方々が遺族に、お悔やみの言葉を述べに自宅や式場に来る風習です。

滋賀県では、地域に自治会や近所の方が、葬儀を手伝うことが多いようです。
特に滋賀県の群部では、隣組の意識を持つ方が多く、葬儀はみんなで手伝うものと認識している方も多いです。

甲賀市では、『組』という近隣住民の相互扶助組織があり、葬儀の際の運営などを手伝ってもらうことが多いようです。

こうぎ

一般的に、香典を渡すのは通夜・葬儀の受付が多いですが、滋賀県では、お葬式に参列した近隣住民は、お葬式の後に香典を渡す風習があります。

この習慣は『こうぎ』と呼ばれ、近隣住民は、香典を通夜・葬儀の受付に出すのではなく、葬儀・告別式、初七日が終わった翌日、会食に招待された時に香典を持参します。

現代では、お葬式のすぐ後に初七日の法要を行い、精進落としの会食をする事が多いため、招待された参列者がその会食の席で、『こうぎ』を渡す風習となっているようです。

ただし、これは近隣住民が対象で、一般の参列者は通常どおり通夜・葬儀の際に、香典を渡します。

通夜

通夜にうどん

関西地方では、通夜振舞いを行わないことが多いですが、滋賀県では、通夜の後にうどんを振る舞う風習があります。

遺族の負担を軽減させる目的から、作るのが容易なうどんを振る舞う習慣が広がったとされています。

伽見舞い

蒲生郡では、お通夜の際に『伽見舞い』を持参します。
『伽見舞い』とは、お通夜で長い夜を過ごす遺族のために、お渡しする手土産のことです。

「お菓子でも食べながら、家族でゆっくりと最後の夜を過ごしてください」「葬儀の準備で忙しい遺族のために、食事の足しにしてほしい」という願いが込められた風習のようです。

饅頭やクッキー、チョコレートなどのお菓子で、小分けされたものを持参することが多く、参列者に配られることもあります。

こういった趣旨の習慣は、他の地域にもあり、「お淋し見舞い」や「夜伽見舞い」と呼ばれています。

また、故人が療養中等にお見舞いに行けなかった場合に、持参するはずだったお金や品物をお渡しするという意味で渡す地域もあるようです。

粗飯料

滋賀県の一部地域では、香典返しの返礼品以外に『粗飯料(そはんりょう)』として、2000円ほどの新札をつける風習があります。

『粗飯料』とは、「通夜振る舞い」や「精進落とし」に参加しない人に渡す食事代のことで、関西地方に古くから伝わる習慣です。

最近では、関西地方でも行われることが少なくなっている習慣ですが、滋賀県の一部では、今でも受け継がれているようです。

かつては葬儀・告別式に出すものとして用意していましたが、現在は通夜でも準備する家が多いようです。

引換券

彦根市の葬儀では、受付で香典を渡すと、会葬返礼品の引換券が渡されます。

会葬返礼品は、帰る際に券と引き換えに受け取る形になりますので、紛失したり、忘れてそのまま帰宅したりしないように注意して下さい。

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おかみそり

滋賀県では、浄土真宗の檀家が多いため、葬儀の際に僧侶が故人の頭髪に剃刀をあてる『おかみそり』と呼ばれる儀式を行うことがあります。

浄土真宗では、生前に仏の弟子になるために、髪を剃る儀式を行いますが、『おかみそり』は、故人の頭髪に剃刀をあてることで、その代わりとする意味で行われるようです。

かみそりをあてると言っても、実際に髪を剃ったりするわけではなく、儀式用のかみそりで軽くなでるだけですので、故人の遺体が傷つく心配はありません。

出棺

玄関以外から出棺

滋賀県では、自宅でお葬式を行なった場合には、玄関以外の場所から出棺するという風習があり、縁側などから出棺することが多いようです。

自宅に縁側が無い場合には、窓から出棺する事もあるようです。

この習慣には、日常的に人が出入りする玄関を避け、故人の魂が戻れないようにすることにより、「迷わず成仏して欲しい」という願いが込められているようです。

門勤め

彦根市などの一部の地域では、出棺を玄関からは行わないといった習慣はありませんが、玄関から棺を出した後に『門勤め』という儀式を行います。

『門勤め』とは、出棺の際に僧侶が玄関前で読経をするという儀式で、故人が住み慣れた家に、別れを告げる為の重要な儀式とされています。

還骨勤行(かんこつごんぎょう)

『還骨勤行』は『還骨回向(かんこつえこう)』とも言われ、火葬場から戻ってきた遺骨を、家に迎える時に行われる儀式です。

「還骨」とは、故人が荼毘に付され、お骨に還った状態のことを指します。

『還骨勤行』の流れは、

  1. 遺骨が自宅に戻ってきた際、お清めの塩と水を用意してもらい、お浄めを行う。
  2. 後飾り祭壇に供花やろうそく、線香、位牌、遺影などを準備して遺骨を安置する。
  3. 親族が後飾り祭壇の前に集まり、僧侶にお経を読んでもらい焼香を行う。
  4. 最後に喪主が挨拶をして、精進落としを行う。

上記のような順番で執り行われます。

まとめ

滋賀県は、関西地方の他県と同様、基本的に後火葬の地域ですが、前火葬の地域も一部あるようです。
前火葬の場合、葬儀は遺骨を安置して行う『骨葬』となりますので、最後のお別れに顔を見ることが出来ません。
滋賀県の葬儀に参列される方は、火葬のタイミングを確認しておいた方が良いかもしれません。

なお、今回は参列される方向けに記事を書いていますが、喪主の方は事前に多くの準備が必要となります。『【通夜・葬儀】事前に準備しておくべきこと』で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

もしこの記事が誰かの役に立てば幸いです