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【地域別】葬儀の特徴~茨城県編~

2021年3月9日

ども まことじいさんです。

葬儀の習慣なんて、地元でも知っている人は少ないですよね。

じいさんは遠州地方(静岡県西部)在住ですが、元々は関東出身で遠州地方の風習に詳しくありませんでした。
母が亡くなった際に調べたところ、葬儀に関しても地方独特の風習があって驚きました。
通常、白木の位牌から本位牌への切り替えは四十九日の法要の時に行われますが、遠州地方では初盆から一周忌法要の間に行われます。

このような地方独特の風習はどの地方でも見られますが、知らない人も多く葬儀の際に慌てることもあると思いますので、まとめておこうと思います。
今回は茨城県編です。

出棺

茨城県では、北部地域は東北地方の影響を受けている一方、その他の地域では関東地方の風習が強いため、葬儀の風習においても県内でも違いがみられます。

七日ざらし

猿島郡周辺では、故人の着ていた衣服を家の裏側に北向きで干し続ける『七日さらし』が行われます。

七日間ずっと濡れた状態で干しておくため、水をかけ続けます。
これは神道の影響のようで、穢れを払うという意味があるようです。

放生

茨城県では、出棺の際に鳩を空に放つ地域があります。

これは『放生(ほうじょう)』という仏教の教えに基づいた風習で、徳を積むことによって亡くなった身内があの世で優遇されるようにとの思いが込められているようです。

撒き銭

茨城県南部の主に水戸市周辺の地域では、長生きをした方の出棺の際に、参列者にお金を半紙でくるんだものを撒く『撒き銭』が行われます。

現在ではお金の代わりにキャラメルや飴などを撒くこともあるようです。
この風習は、撒かれた物を持ち帰ることによって長寿にあやかろうというもののようです。
かつては故人が生前に働いて貯めたものを返すという意味合いから、棺に向かって投げる地域もあったようです。

柩を回す

土葬が主流だった頃の名残で、茨城県では今も出棺の際に庭か墓前で棺を三回から三回半左回りに回す『棺回し』が行われます。

これは、あの世へ旅立つ故人を回すことで方向感覚を狂わせ、戻ってこないようにする為のしきたりで、東京の八王子など各地で見られる風習です。

ざる転がし

茨城県では、出棺の際や出棺の後に遺体が安置されていた場所で竹ざるを箒で掃き出す『ざる転がし』と呼ばれる風習があります。

ざるの目が粗く零れ落ちやすいことから、魔や穢れをざるの目から零れ落ちさせ、退散させる目的で行われるようです。

藁人形を棺に入れる

全国各地で、「故人が寂しくないように」や、「周りの人を連れて行かないように」「不幸が繰り返されないように」などの願いを込めて、棺に人形を入れる風習がありますが、茨城県では藁でつくった男女の人形を棺に入れる習慣があります。

火葬

茨城県北部は東北地方と接していることから、葬儀の前に荼毘に付す『前火葬』が主流ですが、他の地域では関東地方の他県と同様に葬儀の後で火葬を行う『後火葬』が一般的です。

もし、茨城県北部地域の葬儀に参列される際は、先に荼毘に付されてしまって最後のお別れに顔を見ることが出来ない可能性もあるので、事前に確認することをお勧めします。

通夜振舞い

茨城県では、関東地方の他県と同様に通夜式の後で通夜振舞いが行われるのが一般的ですが、県北部では東北地方と同様に通夜振る舞いが行われないことが多いようです。

一般的に、通夜振る舞いではオードブルや寿司、お弁当などが供されることが多いですが、茨城県の通夜振る舞いでは、餅やおこわを食べることが多いです。

これは、土葬が多かった頃には墓地まで棺を運んだため、精を付ける意味から始まった習慣のようです。

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葬儀

香典を三回

茨城県南部では、亡くなってすぐ、赤いのし袋で病気見舞いを届け、ご霊前ののし袋でお通夜に通夜見舞い、葬儀に香典と、合計3回持って行く地域があります。

このため、葬儀だけでなく通夜の際にも返礼品が配られます。

かつて通夜返しにはあんパンや饅頭を配っていましたが、現在では代わりにハンカチなどを用意することが多いようです。

仏式から神式へ

茨城県の葬儀に関する風習で特徴的なのが、神道の影響が強い点です。

特に石岡市や小美玉市周辺では、普段は仏壇を拝み、葬儀直前までは仏式で行われますが、葬儀からは神葬祭で行われます。

この地区ではかつては仏式で葬儀が行われていたものの、途中で仏式から神式に変更になったため、このような全国的にも珍しい方式を取っているようです。

清め塩ではなくかつお節

一般的にお清めと言えば塩をイメージすると思いますが、茨城県の水戸市周辺では鰹節を用いることが多いようです。

神道形式による葬儀では「神饌(しんせん・神様に捧げる食べ物のこと)」として、鰹節などが祭壇に捧げられます。茨城県南部では、この神道の影響から浄めとして鰹節を用いるようになったと思われます。

葬儀当日に納骨

一般的には四十九日の法要の後、納骨を行うことが多いですが、茨城県では葬儀の当日に納骨することが多いようです。

これは、かつて土葬が主流だった頃の名残と思われます。茨城県の一部では今でも土葬を行っている地域もあります。

まとめ

茨城県は北は東北地方に接しており、東北地方の風習の影響を受けていますが、一方、その他の地域は関東の風習に則って葬儀も行われているようです。

また、茨城県では神道の影響も強くみられますが、これは、日本建国・武道の神様である「武甕槌大神」を御祭神とする鹿島神宮を、水戸藩の初代藩主徳川頼房や徳川光圀が崇拝したことに関係するのかも知れませんね。

なお、今回は参列される方向けに記事を書いていますが、喪主の方は事前に多くの準備が必要となります。『【通夜・葬儀】事前に準備しておくべきこと』で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

もしこの記事が誰かの役に立てば幸いです。