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【地域別】葬儀の特徴~福島県編~

2021年3月8日

ども まことじいさんです。

葬儀の習慣なんて、地元でも知っている人は少ないですよね。

じいさんは遠州地方(静岡県西部)在住ですが、元々は関東出身で遠州地方の風習に詳しくありませんでした。
母が亡くなった際に調べたところ、葬儀に関しても地方独特の風習があって驚きました。
通常、白木の位牌から本位牌への切り替えは四十九日の法要の時に行われますが、遠州地方では初盆から一周忌法要の間に行われます。

このような地方独特の風習はどの地方でも見られますが、知らない人も多く葬儀の際に慌てることもあると思いますので、まとめておこうと思います。

今回は福島県編です。

告げ人

東北地方ではかつて、まだ通信手段が不便だった頃は男性二人が一組になって、葬儀の日取りや場所を伝えて回る『告げ人』と呼ばれる習慣がありました。

現在では電話などの通信手段の発達により、見られることは少なくなりましたが、福島県の一部では「告人」「角折」「わざふ」など呼び名は地域によって様々ですが、この風習が残っています。
忌を避ける意味から、現在でも必ず二人一組で行うようです。

火葬

東北地方では全般的に葬儀の前に火葬を行う『前火葬』が主流ですが、福島県は葬儀の後に火葬を行う『後火葬』を行う地域と『前火葬』を行う地域に分かれています

かつて幕府直轄領だったいわき市周辺や、関東地方に接している会津地方は、関東文化の影響を強く受けているため『後火葬』を行うようになったようです。

福島県は江戸時代に10藩程に分かれていたので、同じ県内でも地域によって違った風習を持つようです。

出棺

福島県では出棺の際に、家の玄関脇に竹や藁で作ったアーチ型の『仮門』を作り、その門を使って出棺をします。

出棺のあとはすぐに『仮門』を壊し、燃やしてしまうところが多いです。
これは、旅立った故人が迷ってしまわないよう、帰ってくる入り口を無くしてしまう為の儀式だそうで、『門火』と呼ばれます。

この『門火』はお盆の送り火のような意味合いもあるようです。

また、出棺の前に棺の中に入れる副葬品も独特で、男性の場合は剃刀を、女性の場合はハサミを入れます。

これは納棺の儀の際に、かつては入棺の前に男性は髭を剃り、女性は髪を切って整える習慣があったことから、その名残と思われます。

いわき市周辺では、入棺・出棺の際に、魔除けの意味を込めて荒縄を耳や腰に巻く地域もあります。

通夜

福島県では全般的に、通夜に参列するのは遺族と親族のみで、一般の参列者は葬儀・告別式に参列することが多いようです。

葬儀・告別式に参列できない場合は、お通夜に伺ってもかまいませんが、なるべく葬儀・告別式に参列する方が良いと思います。

また、親族しか参列しないことが多いため、通夜では受付が設けられないことも多いようです。

隣組

東北地方では、現在も近隣住民10軒ほど集まった相互扶助組織が、冠婚葬祭などの際に助け合うことも多いですが、福島県でも『隣組』『念仏講』と呼ばれる集まりがあります。

葬儀の際は、参列者の飲食などの接待を遺族ではなく、『隣組』が担うことも少なくありません。
そのため、家族がなくなった場合、葬儀社や菩提寺との打ち合わせには『隣組』の代表者も立ち会うことがあります。

いわき市の一部では、揃いのお寺の半纏をきて、近隣住民が接待をするようです。
『隣組』は葬儀の時だけでなく、納骨の際も立ち会うことが多いようです。

葬儀

福島県では、前火葬を行う地域の葬儀の際にお香典を受付で渡すと、引き換えに返礼品が渡されます。
この返礼品が香典返しとなるため、受付に芳名帳などは無いことも多いようです。

一方、後火葬を行う地域の葬儀では記帳台が設えてあることも多く、香典返しも四十九日の法要ののち忌が明けてから、改めて渡す地域もあります。

須賀川市周辺では、一般の参列者は受付でお香典を渡し、会葬礼状と返礼品を受け取ると葬式自体には参列せずに帰宅することも多いようです。

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親族は裃姿

福島市周辺や会津若松周辺では、葬儀の際に喪家や親族は裃を身に付けることもあるようです。

一般的に葬儀の際、柩の中に守り刀を入れることも多いですが、福島市周辺の地域では柩の上に箒を置くところもあり、守り刀と同様に魔除けの意味合いがあるそうです。

お斉・夕食使い

葬儀・告別式のあとに、「お使い状」を受け取った方だけが参加する、『お斉』『夕食使い』などと呼ばれる精進落としの会食が行われます
参加される方はお香典とは別に「食事代」を用意することもあるようです。

まとめ

福島県は東北6県の中でも最も南に位置し、関東地方とも接している事や、江戸時代には10藩に分かれていた影響で、地域ごとの風習にかなり違いがあります。

また、沿岸地域の浜通り、やや内に入った中通り、会津地方などの内陸部に分かれており、それぞれに気候風土に違いがあることも影響しているのかも知れません。

古き良き時代の風習を残しつつ、現代的な習慣も取り入れている地域と言えるかもしれませんね。

なお、今回は参列される方向けに記事を書いていますが、喪主の方は事前に多くの準備が必要となります。『【通夜・葬儀】事前に準備しておくべきこと』で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

もしこの記事が誰かの役に立てば幸いです。