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【地域別】葬儀の特徴~香川県編~

2021年4月12日

ども まことじいさんです。

葬儀の風習なんて、地元でも知っている人は少ないですよね。

じいさんは遠州地方(静岡県西部)在住ですが、元々は関東出身で遠州地方の風習に詳しくありませんでした。
母が亡くなった際に調べたところ、葬儀に関しても地方独特の風習があって驚きました。
通常、白木の位牌から本位牌への切り替えは四十九日の法要の時に行われますが、遠州地方では初盆から一周忌法要の間に行われます。

このような地方独特の風習はどの地方でも見られますが、知らない人も多く葬儀の際に慌てることもあると思いますので、まとめておこうと思います。
今回は香川県編です。

香川県は弘法大師の出生地であるため、真言宗の信者が多いのが特徴です。
また、香川の葬儀は、県庁所在地の高松市を中心とする地域と、金刀比羅宮に近い丸亀市を中心とする地域で、風習などに違いがみられます。

香川県では、古くから続く自治会制度をもつ地域には「講」と呼ばれる組織があり、その中には、近隣住民の相互扶助組織である『組』もあります。
同じ組の方が亡くなると、『組』の人たちが、受付や連絡、食事の準備などを手伝ってくれます。

これは、香川に伝わる「同行・同業(どうぎょう)」というしきたりで、お葬式の準備に追われるご家族を助けるために行われています。

地域によっては、通夜や葬儀の手伝いが活動が、仕事よりも優先されることもあり、他の地域から来た人は困惑することも多いようです。

通夜は納棺を行わない

香川県では、自宅で葬儀を執り行う場合は、祭壇の前に布団を敷いて、故人を横たわらせた状態で通夜を行う風習があり、納棺は葬儀の直前に行います。

納棺の際には、故人にたすきを逆にかけますが、これは葬儀の際に、通常と違うことをする風習『逆さごと』のひとつです。

蠟燭の灯りだけで納棺する

香川県内の一部地域には、納棺の際に蝋燭の灯りだけで行う風習があります。

この風習は、最後のお別れに故人と対面できるのは親戚などに限定し、一般の参列者には、故人のお顔を見せることはない、という香川県独特のしきたりから行われている習慣のようです。

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末期の水

『末期の水』は、お釈迦様が入滅する際に水を所望したということから、故人に水を捧げるようなったといわれています。

現在では、『末期の水』を故人の口に含ませる際に、脱脂綿を使用することが多いですが、香川県では、樒(しきみ)の葉を使うのが、一般的です。

また、一部の地域では『末期の水』をとる際に、わらを反対に編んで作った縄をたすき掛けにして、着物の袖を留めることがあります。これは、皆が着物を着ていた時代に、「袖が故人にかかると失礼である」という考えから始まった習慣といわれています。

『末期の水』に樒を利用するのは、樒の強い香りの力で、魔を払うためと言われています。

香典袋

一般的に、通夜・葬儀の際の香典袋の表書きには『御霊前』を使うことが多いですが、香川県では、通夜の際には『御悔』、葬儀の際には『御香典』と使い分けているようです。

ただ、表書きに『御霊前』と書いても、失礼に当たることはないので、問題ないようです。

琴平宮

香川県の琴平の地域では、琴平宮(金比羅さん)を穢してはいけないとの理由から、付近で葬儀を行わないという風習があります。

この風習は、死を穢れと捉える神道の影響から生まれた習慣と思われます。

神道の影響を受けた風習は、各地に残っており、出雲大社のある島根県では、大安の日に葬儀を出すことを避け、出雲大社を穢さないようにしていますし、伊勢神宮で有名な三重県の伊勢地区では、喪が明けるまでしめ縄を外します。

脇導師

香川県高松市周辺では、葬儀での僧侶の読経の際に、脇導師の数が多いことが特徴です。

葬儀では、大勢のお僧侶が読経をして故人の冥福を祈ります。

宝冠

香川県の一部地域では、火葬場に向かう際に、女性は紙の三角巾をピンで髪にとめ、男性は頭につける習慣があります。

この風習の由来は、「魔除けのため」や「故人と同じ装いをして、三途の川の前まで送るため」など様々な説があるようです。

丸亀地方でも、火葬場では女性は髪に白い三角形の紙を挟むことがありますが、女性には子孫を残すという大事な役目があるため、女性を死の穢れから守るための習慣とされています。

また、小豆島では、真言宗の葬儀の場合に、火葬場に向かう際に『宝冠紙(ほうかんし)』と呼ばれる、梵字が入った白い三角形の紙を故人の頭に付ける風習があります。

地域によっては、火葬場に向かう遺族も裸足でわらじを履き、頭には梵字の入った白い三角布を付けることもあるようです。

出棺の際に豆腐を食べる

香川県の東部にある三木町の一部の地域では、出棺の際に2cm大に切った豆腐に、しょうゆをかけて食べるという風習が残っています。

色が白い豆腐は、食べることで身を清められると考えられており、葬儀の際に豆腐を食べる習慣は各地に残されています。

茶碗割り

出棺の際に、故人の茶碗を割り、送り火を焚く儀式は、西日本では行われることが多いですが、こういった習慣は、香川県でも広く行われているようです。

この風習は、茶碗を割ることで、この世への未練を断ち、「故人が迷わず成仏できるように」との、遺族の願いが込められているようです。

友引人形

全国的に、友引に葬儀を行うことを避ける傾向がありますが、香川県の西讃地域では、友引でも火葬場が稼動しており、一部の地域では葬儀を行うことがあります。

その場合、棺の中に『友引人形』と呼ばれる人形を入れることがあります。

友引に葬儀を行うと、故人が周囲の人を一緒に連れて行ってしまうとの考えがありますが、『友引人形』を棺に入れることで、身代わりにするという考えのようです。

こういった習慣は、近畿地方でも行われていて、大阪では『いちま人形』、京都では『友人形』と呼ばれています。

灰葬

香川県の葬儀では、火葬が終わると当日中に骨上げをして、収骨する地域がほとんでですが、丸亀地域では、火葬の当日には収骨を行わず、翌日に収骨をする『灰葬』の風習があります。

葬儀会社によっては、葬儀プランに、翌日収骨用のマイクロバス手配料が、含まれていることもあるようです。

お赤飯

香川県東部の東讃地域には、初七日のお膳に『お赤飯』をつける地域があります。

さらに、初七日以降に行う忌日法要のお膳にも『お赤飯』がつく場合もあるようです。

お赤飯は、おめでたい席で食べるものというイメージがありますが、元々は葬儀などの際に、厄払いとして食べるものでした。

昔から赤には邪気を払う力があるとされおり、厄除けという意味で不祝儀に赤飯をだす風習は、各地に残っています。

うどんを食べない

讃岐うどんで有名な香川県ですが、そんな香川県でも、四十九日の追善法要までは、うどんを口にしない地域があるようです。

これは、「長いうどんを食べると、不幸がのびる」という考えから生まれた習慣のようです。

まとめ

香川県は、真言宗の開祖である、弘法大師の出身地であると同時に、金毘羅さまのお膝元でもあるため、葬祭儀礼に関する習慣にも、地域によって様々な違いがみられるようです。
また、香川県内の島の一部では、今でも土葬が行われている地域があるようです。

なお、今回は参列される方向けに記事を書いていますが、喪主の方は事前に多くの準備が必要となります。『【通夜・葬儀】事前に準備しておくべきこと』で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

もしこの記事が誰かの役に立てば幸いです。