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【宗旨宗派別】それぞれの葬儀マナーや表書の違い

2021年5月30日

ども まことじいさんです。

通夜・葬儀に参列する際の表書き、どう書けばよいのか迷う時ってありますよね。

仏式でも、宗派によって違いがありますし、神式やキリスト教式の葬儀に参列する機会は少ないので、全く分からないという方も多いでしょう。
また、仏式であっても「通夜・葬儀」と「法事」では、お香典の表書きが異なりますし、僧侶に渡すお布施の表書きについても知らない方がほとんどだと思います。

そこで今回は、宗旨宗派ごとの表書きや水引の種類、マナーなどについて書いておこうと思います。
それぞれの表書きの意味について理解していれば、使い分けられると思いますし、それぞれの宗教ごとに異なる参列マナーについて知っていれば安心して参列できると思いますので、ぜひ最後までお読みください。

仏式の場合

日本では、葬儀の約9割が仏式で行われていると言われ、もっとも一般的な形式となっています。
仏教における葬儀とは、故人の死を悼み、浄土へ成仏することを祈る儀式といえます。

表書き

仏式の「通夜・葬儀」では、お香典に『ご霊前』と表書きします。
仏教では多くの宗派で、亡くなった人は7日ごとに生前の行いに対する裁きを受けながら、49日間の浄土に向けた旅をすると考えられています。

そして7回目の裁きを受けて、亡くなった人は仏様のもとに往生するとされているので「通夜・葬儀」の時点では、仏になる前の霊の状態であるため『ご霊前』という表書きを用いるのです。

しかし、仏教の中でも浄土真宗では、考えが異なるため「通夜・葬儀」でも『ご仏前』を用います。
浄土真宗では、亡くなった人は阿弥陀如来の力ですぐに成仏するという「往生即成仏」の考えから「通夜・葬儀」の時点ですでに成仏しているとされるため、表書きも『ご仏前』になるのです。
このことから、浄土真宗の葬儀は故人の成仏を願うためのものではなく、阿弥陀如来への感謝を伝えるためのものと位置づけられているようです。

もし仏式の葬儀ではあるものの、宗派が不明という場合は『御香典』と書けば問題ありません。
また、不祝儀の際の表書きは薄墨で書きますが、これは「涙で墨が薄まってしまった」などの意味があると言われています。

水引

不祝儀に用いる香典袋の水引は「白・黒」または「双銀」で結びきりのものを利用しますが、関西地方の一部(特に京都)では「黄・白」を使うことが多いです。

古の都・京都では、皇室に贈り物をする際に「紅井水引」という玉虫色の水引を使っていました。玉虫色は 一見黒に見えてしまうため、香典で黒白の水引を使うのは恐れ多いとということから、次に高貴な色とされる黄色を使うようになったと言われています。

お布施

御香典については、喪主は受け取る側なのであまり気にする必要はありませんが、僧侶へのお布施を渡す必要があります。お布施の相場は30~50万円と言われていますが、宗派や寺院によって異なりますので、僧侶に確認しましょう。

最近では、はっきり金額を提示してくれる僧侶も増えていますし、経済的に厳しいなどの事情を相談すれば、お布施の金額を下げてくれることもありますので、気軽に相談しましょう。
もし、相談に快く応じてくれないような寺院なら、檀家として支える意味もあまりないかも知れません。

また、近年では菩提寺を持たない方も増えているようですが、通夜・葬儀を依頼する寺院が無い場合は、葬儀社によって比較的低額で寺院を紹介してくれるところもありますので、そういったサービスを利用すれば問題ありません。

お布施は「通夜・葬儀」であっても『お布施』と表書きした白の奉書紙で包むか、白封筒に入れて「切手盆」に載せて渡します。表書きをする際も薄墨を使う必要はありません。

お布施とは、葬儀を執り行う僧侶へのお礼であると同時に、仏様への感謝を表すものでもあり、たとえ「通夜・葬儀」であっても、僧侶自身に不幸があった訳ではないので、薄墨で書く必要はありません。

「お香典」や「お布施」は袱紗に包んで持参するのが正式な作法とされており、受付でも袱紗を開いた状態で渡すのがマナーと言われています。
紫色の袱紗は慶事・弔事のどちらでも利用できますので、一枚もっておいても良いかもしれませんね。

神式の場合

「通夜・葬儀」という言葉は仏教で使われるもので、神式で行う葬儀は『神葬祭』と言います。

神道は、祖霊崇拝をもとに自然信仰など様々な要素が取り込まれた民俗信仰であるため、地域や祀られている神様によって、それぞれに違いがあるため『神葬祭』にも、決まった形式というものがありません。

また『神葬祭』の意味も、死という非日常の穢れ(気枯れ)を祓い、故人が守り神となって家にとどまり、家族を見守ってくれるように願うための儀式とされています。

表書き

『神葬祭』での表書きは「ご霊前」または「御玉串料」が一般的です。
「ご霊前」という表書きは、一部を除いて仏式、神式、キリスト教式のいずれの葬儀でも使うことが出来ます。

神式の場合は、他にも「御榊料」や「神饌料」と書くこともありますが、表書きには仏式と同様に薄墨を使います。最近では薄墨の筆ペンも売っていますので、筆が苦手な方は筆ペンを使っても問題ありません。

水引

不祝儀袋は仏式と同様に「黒・白」か「双銀」を用いますが、蓮の花の柄が入った不祝儀袋は仏式用ですので使用しません。

御礼

『神葬祭』を執り行う神職に渡すお礼には「御礼」「御祭祀料」「御玉串料」と表書きをします。
また、喪主のことを神式では斎主と呼びます。

『神葬祭』と仏式の葬儀の違い

『神葬祭』に参列する前に、身を浄めるための「手水の儀」を行います。
入り口に用意された水桶から手桶で水をすくい、左手→右手の順に水で流したあと最後に左手にためた水で口をすすぎ、渡される懐紙で口もとや手をふきます。

仏式の葬儀では、故人の為に「焼香」を行いますが、神式での『神葬祭』では玉串奉奠(たまぐしほうてん)を行います。
玉串とは、榊などの木の枝に、紙垂(しで)や木綿(ゆう)を麻で結んで下げたもので、神道の神事において、参拝者や神職が神前に捧げるものです。

玉串奉奠の作法については「宮崎神社の神主はるちゃんねる」で分かりやすく解説されていましたので、下記に貼っておきます。ぜひ参考にしてみてください。

玉串奉奠は、未経験の方が多いのでぎこちなくなったり、間違えたりすることもあると思いますが、大事なのは気持ちなので、あまり気にする必要はありません。

仏式の葬儀と『神葬祭』でのマナーの違い

仏式の葬儀では、遺族に声を掛ける際に「お悔やみ申し上げます」や「ご冥福をお祈りいたします」という言葉を使いますが、神道では死を悲しむべきものとして捉えていないので、こういった言葉は使いません。
「御霊(みたま)の平安をお祈りいたします」と声かけするのが一番無難でしょう。

また、数珠は仏さまや菩薩などを礼拝するために使用するものなので、神式の葬儀にはふさわしくありません。

身近な神道由来の習慣

葬儀に参列して帰宅した時に、日本では塩で「お浄め」することが多いですが、これは死を「穢れ」と捉える神道の影響を受けた習慣です。
また、身内に不幸があった家で茶碗に箸を立てたり、屏風を逆さにしたりする「逆さ事」も、通常とは違うことを行うことで死を非日常のものとして扱い、日常と切り離す目的で行われる神道由来のしきたりです。

仏式の葬儀でよく見かける習慣ですが、実は仏教には死を「穢れ」として捉える考えはなく、日本以外の仏教国では、あまり見かけることは無いようです。
こうしてみると日本で行われている葬儀のほとんどは、仏式と神式のハイブリットと言えるのかもしれませんね。

キリスト教式の場合

キリスト教は教義の違いによって「カトリック」と「プロテスタント」に分けられます。
教義が異なるため、使用する言葉にもそれぞれに違いがあります。

表書き

キリスト教では、仏式で「お香典」に当たるものを『お花料』と呼びます。

「お香典」とは、もともと焼香に使う抹香の費用という意味があるのですが、キリスト教式の葬儀では焼香ではなく献花を行うことから、参列者が葬儀に持参するのも『お花料』になるというわけです。

十字架やユリの花が印刷されたキリスト教式の葬儀用封筒か白無地の封筒に、薄墨で『お花料』と表書きをします。
「カトリック」では「おミサ料」と書いても良いのですが『お花料』は「カトリック」「プロテスタント」の両方で使用できますので『お花料』が無難です。

カトリックとプロテスタントの用語の違い

「カトリック」と「プロテスタント」では教義が異なるため、通夜・葬儀の内容も違いますし、聖職者の呼び方などにも違いがみられます。

「カトリック」では聖職者を『神父』と呼ぶのに対し「プロテスタント」では『牧師』と呼びますし、礼拝での歌も「カトリック」では『聖歌』、「プロテスタント」では『讃美歌』と呼びます。

また、もともとキリスト教には通夜の習慣はありませんが、日本独特の習慣として「カトリック」では通夜のことを『通夜の祈り』、「プロテスタント」では『前夜式』と呼ばれています。

献花の作法

献花の作法には『神葬祭』の「玉串奉奠」ほど複雑な作法はありませんが、不安な方は下記に動画を貼っておきますので、よかったらご覧ください。

キリスト教式の葬儀は「葬儀式」と呼ばれ、教会で行われることも多いのですが、そういった場合は「世話人」と呼ばれる方が、色々と案内してくれますので、さほど不安を感じずに済みます。

また、斎場などで行われる場合は、葬儀社のスタッフから案内がありますので、心配ありません。

キリスト教式の葬儀のマナー

キリスト教では、死を忌むべきものとして捉えるのではなく、永遠の命の始まりとして祝福するものとして捉えています。
そのため、亡くなったことは悲しいことですが、不幸なことではないという考えから「安らかな眠りをお祈りいたします」のように、故人の安寧を祈る形が一般的です。

また、キリスト教式の葬儀では、結婚式と同様に「聖歌」や「讃美歌」の歌詞が書かれた紙を渡されることがありますが、無理して歌う必要はありません。「歌える方は歌えばよい」くらいの気持ちでいれば問題ないでしょう。

まとめ

それぞれの宗旨宗派によって考え方が異なるため、作法やマナーなどに違いはありますが、基本的に故人の死を悼むという点は同じですし、あなたに参列してもらうことで遺族の慰めになると思いますので、声をかけられたら出来るだけ参列することをお勧めします。

今回の内容は、基本的に通夜・葬儀の参列者向けに書いていますが、喪主となられる方は通夜・葬儀までにすべきことが非常にたくさんあります。
じいさんの経験を基に書いた【初めての喪主】いざという時のために 今できる事の記事が参考になると思いますので、ぜひ一読ください。

また、葬儀に関する習慣やしきたりは、地域によって大きく異なります。
【知っておきたい】47都道府県の葬儀の特徴の記事で、各県ごとの葬儀にまつわる習慣やしきたりなどの特徴を確認できますので、ぜひ参考にしてみてください。

もし この記事が誰かの役に立てば幸いです。