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【地域別】葬儀の特徴~鳥取県編~

2021年4月9日

ども まことじいさんです。

葬儀の風習なんて、地元でも知っている人は少ないですよね。

じいさんは遠州地方(静岡県西部)在住ですが、元々は関東出身で遠州地方の風習に詳しくありませんでした。
母が亡くなった際に調べたところ、葬儀に関しても地方独特の風習があって驚きました。
通常、白木の位牌から本位牌への切り替えは四十九日の法要の時に行われますが、遠州地方では初盆から一周忌法要の間に行われます。

このような地方独特の風習はどの地方でも見られますが、知らない人も多く葬儀の際に慌てることもあると思いますので、まとめておこうと思います。
今回は鳥取県編です。

鳥取県は砂丘で有名ですが、空気と水が綺麗で人口の少ない県です。

鳥取の葬儀では、山間部を中心に昔からの風習が残っており、通常の葬儀とは異なる点がいくつか存在します。
日本では珍しい土葬を行っている地域や、葬儀が終わると参列者に菓子パンが配られるなどの独自の風習が挙げられます。

枕団子が四つ

一般的に、自宅や安置施設に故人を安置する際、枕飾りに枕飯や枕団子を用意します。

全国的には、枕団子として団子を六つ用意することが多いですが、鳥取県では枕団子を四つ用意することが多く、この枕団子を『送り団子』と呼ぶようです。

キャラメルを配る

鳥取県の一部の地域では、故人が長寿を全うして亡くなった時に、キャラメルを配る風習があります。

キャラメル以外の甘い物を配ることもあり、参列者はそれを食べることによって、故人の長寿にあやかることが出来ると考えられているようです。

故人の長寿にあやかろうという習慣は、日本各地で行われており、東北地方などの葬儀で配られる『長寿銭』なども、その一つです。

通夜

鳥取県では、お通夜のことを『伽』や『夜伽』と呼ぶ地域があります。

こういった習慣は、中部地方や関西地方など、各地でみられますが、そもそも『夜伽』とは、夜を徹して一緒に過ごすという意味ですので、『伽』や『夜伽』は通夜本来の意味に近い言葉になります。

同じ中国地方の岡山県でも、お通夜の事を『夜伽』と呼ぶ地域があります。

供人形

鳥取県西部の伯耆地域では、関西地域と同様に、友引の日に葬儀を行う時には棺に人形を入れます。

一般的に『供人形』と呼ばれるこの人形ですが、伯耆地方では『まご』と呼ばれています。

これは、友引の日に火葬を行うことで、故人が知人を一緒に連れて行ってしまわないように、人形を代わりにするという意味があるようです。

そうれん

全国的に、葬祭儀礼の簡素化が進んでいますが、鳥取県でも、霊柩車の普及などが進んだことで、「野辺の送り」と呼ばれる古くからの風習が、行われることは少なくなっています。

しかし、鳥取県の一部では、「野辺の送り」に代わる『そうれん』と呼ばれる儀式を行っています。

『そうれん』とは、「野辺の送り」で行われていた儀式を、現代の葬儀に合わせて変化させたものです。

現在では、棺を火葬場まで運ぶ役目は霊柩車が担うため、葬儀後に遺族が棺を運ぶ先は霊柩車になります。
そのため、霊柩車を少し離れたところに配置して、長めの距離を人の手で運ぶという形で『そうれん』が行われます。

『そうれん』を行う際に、野辺の送りの頃から行われている儀式などを行うのですが、その中でも特に有名なのは『善の綱』と『縁の綱』です。

善の綱

『善の綱』とは、出棺の際に棺に白いさらしの布を巻いたり結んだりして、その布の端を遺族の女性が持って引っ張るという習慣です。

『善の網』には、故人の魂や亡骸を「善いところへ導いていく」という意味があります。
遺族の中でも血縁の近い人の方が、より棺に近い所を持って引っ張ります。

縁の綱

『そうれん』の際、棺を引っ張る時に使う白いさらしの布を、わざと切れやすい物にするのが、『縁の綱』と呼ばれる風習です。

見た目は『善の綱』と似ていますが、全く違った意味をもつ習慣で、切れやすい布を使うことで、故人との「縁を切る」という目的で行われる儀式です。

鳥取県には、『善の綱』を行う地域と、『縁の綱』を行う地域の両方が存在します。

鳥取県の一部の地域では、葬儀や告別式が終わる時に二番鉦を鳴らし、出棺の時には寄せ鉦(よせがね)と言う三番鉦を鳴らす習わしがあります。

鉦は仏具の一種で、曹洞宗の葬儀などでよく使用されています。

法事パン

元々、島根県の一部では、葬儀の際に手作りのあんこの入った餅を配っていましたが、あんパンが入手しやすくなったことで、あんパンを配るようになったのが『法事パン』の始まりとされています。

その風習が鳥取県に伝わり、やはり法事などの際に、餅を配る習慣があった鳥取県でも、取り入れられたと言われています。

『法事パン』は、パン屋の袋が法事用のデザインになっていたり、白いパンに蓮の花などのデザインがしてあったりと、法事専用のパッケージになっていることが多いようです。

岡山県にも『法事パン』の習慣がありますが、こちらは葬儀の際に、参列者が持ち寄る習慣となっています。

前火葬

全国的には、通夜・葬儀の後に火葬を行う「後火葬」の地域が多いですが、境港市や米子市周辺では、『前火葬』を行われることが多く、通夜の翌日の午前中に火葬をして、午後に葬儀・告別式という流れで進みます。

『前火葬』の場合、葬儀は祭壇に骨壺を安置して葬儀を行う「骨葬」となるため、最後のお別れに顔を見ることが出来ません。

もし、顔を見て故人とお別れしたい場合は、事前に火葬のタイミングを確認しておく必要があります。

土葬

現在では、日本の火葬率は99%を超えており、土葬が行われることは、ほとんどありませんが、鳥取県の一部地域では、今でも土葬が行われている地域があります。

土葬が行われる地域は、山岳地帯が多く、冬期は積雪が多いため、暖かい季節に棺を用意して越冬します。
鳥取県の場合、棺は丸い瓶で、不幸がない限り冬の間は食料の貯蔵に使います。

棺の買い置きがない家で、冬場に不幸があった場合は、近隣の家から丸瓶を借りて土葬を済ませ、暖かい春になったら買って返すというしきたりになっているようです。

香典返し

鳥取県のお葬式に参列すると、香典返しの品に『茶の子』と書かれている事があります。

『茶の子』とは、一般的にはお茶請けに出すお菓子をいいますが、中国地方や四国、九州地方の一部地域では、法要の際の返礼品の呼び名として使われているようです。

また、鳥取県の香典返しは、四十九日の法要後の忌明け後に送る「後返し」が一般的で、即日返しは10%ほどと言われています。

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まとめ

鳥取県では、禅宗の信徒が最も多く、曹洞宗の寺院も多く存在します。そのため、葬儀の際に鉦を鳴らしたり、『善の綱』や『縁の綱』の儀式が行われたりと、曹洞宗から影響を受けた風習が多くみられます。
また、『法事パン』などは、同じ中国地方の他県から、『供人形』などは関西地方から、それぞれ影響を受けています。
鳥取県の葬儀は、古くからの習慣も残しつつ、新しい習慣も取り入れる形で行われているようです。

なお、今回は参列される方向けに記事を書いていますが、喪主の方は事前に多くの準備が必要となります。『【通夜・葬儀】事前に準備しておくべきこと』で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

もしこの記事が誰かの役に立てば幸いです。