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【葬儀費用比較】『互助会は高い』は本当なのか?

2021年6月11日

ども まことじいさんです。

世の中のイメージでは「冠婚葬祭互助会は葬儀費用が高い」「家族葬専門の葬儀社は葬儀費用が安い」というイメージかもしれませんが、本当にそうでしょうか?

『互助会は高い』というイメージは、正しくもあり間違ってもいます。
冠婚葬祭互助会では、会員(互助会加入者)はかなり優遇されますが、それ以外の方には全く割引を行わないため、会員と非会員では葬儀費用に大きな差が出るからです。

じいさんの母は、生前に冠婚葬祭互助会に加入していたので、葬儀社への支払総額は130万円ほどでしたが、担当者の話では、非会員の方が同じ内容の葬儀を行った場合は180万円ほどになるそうですので、かなり割高ですね。
実際のところ、冠婚葬祭互助会は『非会員が利用すると高い』が正解のようです。

じいさんは母と妹を立て続けに亡くしたことがきっかけで、葬祭関連を中心にブログを運営しています。
母が亡くなった時は冠婚葬祭互助会(出雲殿)を利用しましたが、妹が亡くなった時は家族葬専門の葬儀社(トワーズ)を利用しました。

冠婚葬祭互助会(会員)と家族葬専門の葬儀社の両方を利用した経験をもとに、コストパフォーマンスを比較すると、実際のところはどちらを利用しても、結局あまり変わらないというのが正直な感想です。
では、冠婚葬祭互助会と家族葬専門の葬儀社では、なにが違うのでしょうか?

そこで今回は、冠婚葬祭互助会と家族葬専門の葬儀社の違いや、どちらを利用すべきなのかについて書いていきたいと思います。
おかれた状況によって、利用すべき葬儀社の選択方法も変わってきますので、後悔しないためにも、ぜひ最後までお読みください。

冠婚葬祭互助会と家族葬専門の葬儀社の違い

家族葬専門の葬儀社の中には、あたかも冠婚葬祭互助会が葬儀費用を引き上げている元凶のように発信しているところもありますが、ほとんどの場合、公共機関が発表した公式な比較データなどの明確な根拠に基づくものではありません。

実は葬儀事業を開業するにあたって、国や自治体の許可や認可は不要で、参入のハードルはかなり低いです。「家族葬」という言葉が一般化してから家族葬専門の葬儀社が一気に増加したのも、こういった背景が影響しているようで、今では全く畑違いのスーパー運営会社などからも参入が相次いでいます。

一方、冠婚葬祭互助会事業は経済産業省の許可を受けた事業者のみが行える事業で、開業するためには資本金などの経済基盤から約款の内容まで、厳しい基準をクリアする必要があります。
また、割賦販売法によって積立金(正式には前受金)の1/2を、法務局または経済産業省指定の銀行などに供託する保全措置が義務づけられており、経済産業省による同法に基づく報告徴収、立入検査等が行われ、基準をクリアしていないと判断されれば営業許可の取り消しを受けることもあります。

このあたりについては、経済産業省の割賦販売法(前払式特定取引)に基づく監督の基本方針-冠婚葬祭互助会編-に詳しく書かれていますので、目を通してみてください。

まぁ かんたんに言うと、葬儀社はだれでも開業できるが、冠婚葬祭互助会事業は監督官庁の許可がないと開業することも出来ないし、事業を継続することも出来ないということです。

一般の葬儀社と冠婚葬祭互助会との一番の違いは、積立金(前受け金)の有無です。
冠婚葬祭互助会事業は、毎月少額を積み立てておいて、結婚式や葬儀の費用の一部に充当するというシステムなので、消費者保護の観点から厳しい基準が設けられているのです。

でも、家族葬専門の葬儀社では、9.8万円~とかよく書いてあるから、安そうだけど……

家族葬専門の葬儀社が提示している上記のような金額は「無宗教の直葬(火葬式)」の値段で、一般的な仏式で通夜・葬儀を行う『家族葬』の相場は、40~50万円ほどです。しかも、葬儀に伴う飲食費などは含まれていないので、葬儀社に支払う総額は、結局100万円近くなってしまうのが現実です。

このあたりの細かい事情については、じいさんの経験をもとにした【家族葬】なぜ葬儀費用の総額は結局100万円になってしまうのかで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

冠婚葬祭互助会

冠婚葬祭互助会の仕組み

冠婚葬祭互助会に加入すると、会員は月々1,000~3,000円ほどの金額を80~150回ほどに分けて積み立てることになります。積み立てたお金は結婚式や葬儀の際に、費用の一部に充当することが出来ます。
また、冠婚葬祭互助会の会員は、特典として結婚式や葬儀の費用の大幅な割引を受けられます。

ただし、葬儀の際に積立金を充当できるのは、祭壇や棺などの「葬儀一式」に限られることが多く、ほとんどの場合、その他の飲食費(通夜振る舞いや精進落とし)などには使えません。しかし、積立金の満期額は10~50万円ほどになることが多く、この金額で「葬儀一式」の費用の全てを賄うことは難しいので、あまり問題はないのかもしれません。

また、冠婚葬祭互助会を営むような事業者は、前述したように経済規模が大きく、地元では昔から有名な企業が多いので、会員になっていない方も多く利用します。このような場合の葬儀費用は、会員になっている方と比べてかなり高額になります。
おそらく、このあたりの事情から「冠婚葬祭互助会は高い」というイメージになっているのではないでしょうか。

しかし、会員以外の方が支払った葬儀費用の一部が、互助会員の割引の原資になっていることを考えれば、会員以外の方の費用負担が会員と比較して高額になるのは当然ですし、ある意味では公平といえます。

冠婚葬祭互助会の葬儀はセミオーダーメイド

冠婚葬祭互助会の葬儀では、あらかじめ利用できるプラン等が設定されている事は少なく、利用する祭壇や棺・骨壺などを複数の選択肢から、一つ一つ決めながら全体的な葬儀内容を組み上げるケースが多いようです。
じいさんが利用した冠婚葬祭互助会(出雲殿)も、こういった感じでした。

ある程度の概要が決まったら、担当者が概算見積もりを出してくれますので、そこから予算に合わせて内容を削ったり追加したりしながら、最終的な葬儀内容を決めていきます。
この時点で参列者の予想がついていれば、飲食費や引き出物などを加算した見積もりも出してもらうことが可能です。

この打ち合わせの様子は【通夜・葬儀】事前に準備しておくべきことで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

細部にいたるまで、用意された選択肢から一つ一つ決めていかなければなりませんので、セミオーダーメイドのスーツを仕立てる作業に近いかもしれません。

家族葬専門の葬儀社

家族葬専門の葬儀社の事業規模はさまざま

前述したとおり、葬祭事業への参入は容易なので、個人経営に近いような零細企業から、全国展開するような大手の企業まで、さまざまな規模の企業が家族葬専門の葬儀社を運営しています。冠婚葬祭互助会事業と異なり、特に監査されることも無いため、中には「ボッタクリ」を行うような悪質な業者も存在します。

新型コロナウィルスで亡くなった方は、感染拡大を防ぐために病院から遺体袋に入れられて搬送され、遺骨になって遺族のもとに返されますが、病院と提携している一部の悪質な葬儀社が、遺族に不当な高額請求をするような事例も発生しています。

かつては、こういった「ボッタクリ」行為がまかり通っていましたが、今では葬儀業界全体で悪いイメージを払しょくするための自浄努力を行っており、悪質な業者は締め出されつつあります。
こういった自浄努力の一環として、多くのまともな葬儀社では、厚生労働省が認定する「一級葬祭ディレクター」を各事業所に配置しています。

家族葬専門の葬儀社の葬儀はコーディネート

家族葬専門の葬儀社の葬儀は、葬儀に必要不可欠なものが全て含まれた基本プランが、あらかじめ用意されていますので、必要に応じてオプションを追加していくスタイルになります。

基本プランには、葬儀に最小限必要な物は含まれていますので、家族のみでの密葬の場合は何も追加しなくても葬儀自体を行うことは可能です。
この場合の葬儀社への支払総額は、基本プランのみとなりますので40~50万円ほどで済みます。

また、仏式で葬儀を行う場合は僧侶へのお布施が、葬儀一式(戒名授与・通夜読経・告別式読経・式中初七日読経・炉前読経)で、20~50万円ほど別途必要になりますが、菩提寺を持たない方であれば「葬儀社の寺院紹介」を利用することが可能ですので、16~18万円ほどの負担で済むこともあります。

家族のみの密葬であれば、参列者に提供する飲食接待費も不要ですので、基本プランに寺院手配を加えた葬儀費用総額も60万円前後に抑えることができます。

しかし、ほとんどの利用者は「通夜振舞い」「精進落とし」などの飲食や、会葬返礼品・引き出物の手配、火葬場と葬儀式場の往復に必要なマイクロバスの手配など、なにがしかのオプションを利用しているようで、基本プランのみ利用する方は、かなり少ないようです。

家族葬専門の葬儀社の葬儀は、ベースとなる基本プランはそのままで、必要に応じてオプションを追加していく作業により全体が完成する形になりますので、さながら既製品の洋服を組み合わせて、ひとつのスタイルを作り上げるコーディネートのような感じです。

直葬(火葬式)や一日葬

現在では、通夜式・告別式などの葬送儀式を行わず、火葬のみを行う「直葬」や、通夜式を行わず告別式のみ行う「一日葬」などの簡略化された葬儀もありますが、こういった葬儀形式は冠婚葬祭互助会では、扱っているところは少ないようです。

一方、家族葬専門の葬儀社のほとんどでは「直葬」や「一日葬」も扱っており、少ない費用負担で利用することが可能です。「直葬」は20万円ほど、また「一日葬」は30~40万円程が相場となっており、寺院手配も利用可能ですし、僧侶も呼ばない無宗教の「直葬」であれば10万円以下の葬儀社もあります。

冠婚葬祭互助会と家族葬専門の葬儀社の葬儀内容と費用の比較

じいさんが実際に行った葬儀の主な内容は、それぞれ以下の通りです。

冠婚葬祭互助会家族葬専門の葬儀社
祭壇幅4m×高さ2mの花祭壇2m×2mの花祭壇を幅3mに変更
白い布張り木製から白い布張りに変更
骨壺装飾あり白一色から装飾ありに変更
遺影大小フレーム各一枚大小フレーム各一枚
古式湯灌有りオプションで追加
納棺師による着付けと化粧有りオプションで追加
霊柩車有りオプションで追加
マイクロバスの手配有り無し
通夜式後の付き添い安置有り有り
通夜振る舞い40名40名
精進落とし40名40名

上記の一覧を見てもらえば分かると思いますが、主な内容はほとんど変わらず、違いはマイクロバスの手配ぐらいです。

冠婚葬祭互助会の葬儀では、祭壇一式の費用に納棺師や湯灌なども含まれており、マイクロバスの手配や霊柩車は会員特典で付随されていました。
一方、家族葬専門の葬儀社の葬儀では、かなりの部分をオプションで追加しています。

上記の内容で葬儀社に支払った総額は、冠婚葬祭互助会が約130万円、家族葬専門の葬儀社が約110万円でした。マイクロバスの手配費用の相場は10万円前後ですので、その点をを考慮に入れると、費用差異はほとんど無いことが分かると思います。

ただし、互助会員以外の方が同等の葬儀を行った場合の費用は180万円ほどになるようですので、かなり割高になります。

葬儀社選びのポイント

残された時間

冠婚葬祭互助会は毎月少額を3年前後の期間をかけて積み立てますが、満期を迎える前に利用するためには、残りの積み立て分を一括で払う必要があります。

一方、家族葬専門の葬儀社では特別な手続きは必要なく、それまで全く付き合いが無くても利用することが可能です。会員制度がある葬儀社でも、会員と非会員の費用差は数万円なので、互助会ほど大きくありません。
急病や事故などで急に家族が亡くなった場合は、家族葬専門の葬儀社を利用した方が費用は抑えられます。

参列者の数

家族葬専門の葬儀社は、少人数での葬儀に特化しているため、所有している式場も小規模で対応人数は40名ほどの場合が多いです。そのため、参列者が多い場合は、提携する他社の大きな式場を借りる必要があるため、基本プランに含まれる式場費用(5~10万円ほど)を超えた場合は追加料金が発生します。(自治体が運営する公営斎場を利用すれば、費用を抑えられる場合もあります)

一方、冠婚葬祭互助会は経済基盤がしっかりしているため、大小さまざまな式場を所有しており、参列者の人数によって利用する式場を選ぶことが出来ます。また、各地に式場が用意されているため、自宅の近くの式場を利用することも可能で、地元の友人知人が多く参列される場合も便利です。

安心感

前述したとおり、冠婚葬祭互助会事業を営むような企業は、古くから地元に根差して長期にわたって活動を続けているため、実績や経験が豊富で安心感があります。また、あなたの周りにも利用者がいる可能性も高いので、信頼できる口コミ情報を入手できるかもしれません。

また、冠婚葬祭互助会は豊富な資金を活かして設備投資に力を入れている企業も多いため、多数の式場の維持管理のための改修を定期的に行っており、安置施設も利用しやすいように設計されていることが多いようです。
じいさんが利用した冠婚葬祭互助会(出雲殿)の安置施設も、安置専用の建物(想送館)の中に8部屋ほどの個室が用意されており、各部屋は10名ほどで利用できる広さが確保されていて、通夜式までの間は24時間面会可能でした。

一方、家族葬専門の葬儀社は運営する企業の規模がバラバラなので、比較的大手の葬儀社では設備も充実していますが、運営企業が小規模な場合は設備が貧弱なこともあります。各企業によって内情はまちまちなので、葬儀社選びを失敗すると後悔が残る可能性もあります。

じいさんが参列した知人の葬儀では、安置施設はロッカー型の冷蔵庫タイプだったので、亡くなってから通夜式当日まで面会すら出来なかったようです。
家族葬専門の葬儀社を利用する際は、しっかりとした下調べが必要になりますので、複数社の資料を取り寄せて比較検討する必要があります。

冠婚葬祭互助会への加入を検討されている方へ

冠婚葬祭互助会は利用するにあたって安心感がありますが、リスクがないわけではありません。
このあたりの事情については【互助会】実際に利用してみて感じたことに詳しく記載しています。互助会加入前にチェックすべきポイントなども解説していますので、ぜひ加入前に一読ください。

冠婚葬祭互助会は、地域ごとに加入可能エリアが設定されているので、自分が住んでいる地域の互助会にしか加入することが出来ません。
また、冠婚葬祭互助会ごとに契約内容が異なるため、自分に合った互助会を選ぶ必要があります。複数の互助会の資料を取り寄せて、比較検討されることをオススメします。

郵便番号を入力するだけで、加入可能な互助会の資料を一括で取り寄せることが出来る「互助会ポータルサイト」を利用すれば、一社ずつ資料請求する手間を省けます。

また、大手冠婚葬祭互助会のベルコは、西日本を中心に複数の府県を営業エリアに含み、オンラインでの入会も可能ですので、より安心して利用できるかもしれません。

家族葬専門の葬儀社の利用を検討されている方へ

経済基盤が比較的しっかりしている冠婚葬祭互助会に比べ、家族葬専門の葬儀社は企業規模がまちまちのため、葬儀社選びにはより一層の注意が必要です。
このあたりについては【どっちが得】互助会や葬儀社会員のメリット・デメリットを読んでいただければ、参考になると思います。

「葬儀社を探すのが面倒」「すぐに搬送が必要だが、気が動転していて何も考えられない」という方は、葬儀ポータルサイトを利用するのも1つの方法です。

葬儀ポータルサイト「小さなお葬式」では、葬儀費用に備える「葬儀保険」も用意されています。

全国対応、低価格のシンプルな葬儀【小さなお葬式】

また、葬儀ポータルサイト「よりそうお葬式」では、葬儀品質に満足されなかった場合に葬儀一式の全額が返金される「よりそう満足保障」が用意されていますので、より安心して利用できるかもしれません。

NHKで紹介されたよりそうのお葬式

ただ、葬儀ポータルサイトは条件に合った葬儀社を探してくれるだけで、実際に葬儀を施行するのは地域の葬儀社であるという点は念頭に置いておく必要があります。
また葬儀ポータルサイトは、一見すると非常に安価な印象を受けますが、実際には基本プランのみで葬儀が出来ることは少なく、必要なオプションを加えると想像以上に高額になることも少なくありません。

葬儀ポータルサイトを利用した場合、葬儀社は葬儀費用の40%ともいわれる高額な紹介手数料を、葬儀ポータル側に支払う仕組みとなっています。
例えば40万円の予算でも、葬儀ポータルサイト利用した場合は紹介手数料として15万円ほどを支払いますので、葬儀社側の手元に残るのは25万円ほどとなります。
そのため、同じ40万円を支払っても、葬儀ポータルサイトを経由した場合、通常よりも簡素な葬儀内容になる可能性はゼロではありません。

こうした事情を理解したうえで、納得して葬儀ポータルサイトを利用するのであれば、特に問題はありません。
しかし、ただ安いというだけで葬儀ポータルサイトを利用するのは、じいさんの経験上あまりオススメできません。

まとめ

今回の記事で『互助会は高い』という印象を持たれる理由が、多少なりとも理解していただけたら幸いですし、多少でもあなたの葬儀に対する不安が軽減されたなら、なお有難いです。

葬儀費用はかなりの高額な出費になるので、資金面での不安を感じる方も多いと思いますが、実際には多額の持ち出しになるケースは多くありません。
仮に、あなたが数百人の参列が予想される大規模な葬儀を行うことになった場合でも、葬儀費用は高額になりますが、参列者が多い分お香典として集まる金額も大きくなりますので、持ち出しになる金額は想像しているより少なくなるとおもいます。

じいさんが母の葬儀を行った際は、葬儀費用130万円にお布施と香典返しを加えた総額は170万円ほどでしたが、母が互助会に積み立てた金額+いただいたお香典+生命保険で全て賄うことが出来ました。
また、亡くなった妹は県民共済に加入しており、亡くなった時の年齢が若かったので十分な保険金が支払われました。

もし、あなたが葬儀費用の負担について不安なら【心配無用】葬儀費用を用意する方法と費用の抑え方を読んでいただければ、少しは不安が軽減されると思います。

葬儀の喪主というものは、基本的に皆さん初めての経験なので不安も多いと思いますが、事前にしっかり準備をしておけば不安も解消されますし、信頼できる葬儀社を選ぶことが出来れば、後悔するような結果にはならないと思います。

もし この記事が誰かの役に立てば幸いです。