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【地域別】葬儀の特徴~長崎県編

2021年4月19日

ども まことじいさんです。

葬儀の風習なんて、地元でも知っている人は少ないですよね。

じいさんは遠州地方(静岡県西部)在住ですが、元々は関東出身で遠州地方の風習に詳しくありませんでした。
母が亡くなった際に調べたところ、葬儀に関しても地方独特の風習があって驚きました。
通常、白木の位牌から本位牌への切り替えは四十九日の法要の時に行われますが、遠州地方では初盆から一周忌法要の間に行われます。

このような地方独特の風習はどの地方でも見られますが、知らない人も多く葬儀の際に慌てることもあると思いますので、まとめておこうと思います。
今回は長崎県編です。

大浦天主堂

2018年「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録されました。 

古くからキリスト教と縁の深い長崎県は、キリスト教信者の人口に占める割合が4.408%と日本一多い県です。 
そういった土地柄から、他の都道府県に比べ、キリスト教式の葬儀も多く見られます。 

また、長崎県には594もの島々があり、そのうち72島が有人島で、各島ごとに独自の文化があるため、お葬式に関するしきたりなどにも、細かな違いみられます。 

表書き 

長崎県では、神道・仏教の他、キリスト教の葬儀も多く執り行われているため、香典の表書きには注意が必要です。 

同じキリスト教でも、カトリックかプロテスタントかによって違いがみられ、「御花料」はどちらでも使えますが、「御ミサ料は」カトリックのみでしか使えません。 

「御霊前」という表書きは、仏式、神式、キリスト教式の全ての葬儀で使用して良いとされています。 

ただし、浄土真宗では、人は亡くなると、阿弥陀如来の導きで、すぐに仏となるという「往生即身仏 」の考えから、葬儀の際の香典の表書きも「ご仏前」となります。 

通夜振る舞い 

東日本では、参列者も通夜振る舞いに参加することが多いですが、西日本では遺族や親族のみが通夜振る舞いに参加するのが一般的です。 

そんな西日本の中でも長崎県では、特に質素に行なわれることが多く、酒や刺身、寿司などが出てくることは滅多にありません。 

また、地域によっては、通夜そのものが行なわれないということもあります。 

御目覚まし 

一般的な葬儀の際の「通夜見舞い」にあたる風習を、島原では『御目覚まし』と呼びます。 

お通夜の際に、近隣の人がお米などを持ち寄り、夜通し故人に付き添う遺族に渡す風習です。
かつては、「通夜見舞い」として5合~1升の米を近隣の人が持ち寄る習慣がありました。 

『御目覚まし』の由来については、「故人が再び目を覚ましますように」あるいは、家族の死によって、遺族が「仏法に目覚めるように」など、様々な説があるようです。 

現在では、食べ物の代わりに数百円〜千円ほどを『御目覚まし』といった形で渡すことも多いようです。

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前火葬 

一般的には、通夜・葬儀を済ませた後で荼毘に付されることが多いですが、長崎県の雲仙市、島原市、布津町、有家町、西有家町、北有家町など一部地域では、葬儀・告別式の前に火葬する『前火葬』が一般的です。 

『前火葬』の場合、葬儀は遺骨を祭壇に安置して行う「骨葬」となるため、最後のお別れにお顔を拝むことが出来ません。 

お顔を見てからお別れしたい場合は、事前に火葬のタイミングを確認しておく必要があります。 

水かけぎもん 

長崎県の対馬地方には、『水かけぎもん』や『逆さぎもん』と呼ばれる風習があります。 

この『水かけぎもん』という言葉は、「水かけ着物」が訛ったものだと言われています。 

これは、故人の着物や衣服を裏返しに吊るして、一週間水をかけて常に濡らした状態にするというもので、死の穢れを水で清めるという意味で行われているようです。 

同様の習慣は、東北地方でもみられ、『七日ざらし』と呼ばれています。 

焼香銭 

長崎県では、焼香の際に『焼香銭』として焼香台の近くや、受け盆に小銭を置く習わしがあります。 

長崎県の葬儀に参列する際は、念のため小銭を用意しておくことをお勧めします。 

集められた焼香銭は、線香の代金としてお寺に納めることが多いようです。 

葬列を組む 

かつて土葬が多く行われて頃は、棺を担いで墓地まで運ぶ際に、「野辺送り」と呼ばれる葬列を組んで見送る習慣がありました。 

現在では、棺を火葬場まで運搬する役目は霊柩車が担っていますが、長崎県では、出棺から霊柩車までの短い距離ではありますが、「野辺送り」の名残として葬列を組む習慣が多いようです。 

棺回し 

長崎県では、自宅で葬儀を行った場合、出棺は玄関ではなく、縁側などから行なわれるという習慣があります。 

そして、出棺の際には、近親者で棺を担いで3回まわす『三度回し』『棺回し』などと呼ばれる儀式を行います 。 

棺を回すことで故人の方向感覚を狂わせ、魂が家に帰ってこられないようすることで、「迷わず成仏して欲しい」という遺族の願いが込められた習慣のようです。 

また、回るという行為を修行の一環と捉え、現世での罪を無くす、または軽くすることが出来ると言った「減罪信仰」からきているという説もあります。 

茶碗割り 

長崎県では、出棺の際に故人の愛用していた茶碗を割る習慣があります。 

これは、故人の愛用していた物を壊すことで、故人の現世への未練を断つという意味で行われる儀式で、「故人が迷わず成仏出来ますように」という願いが込められた習慣と言われています。 

このような習慣は、同様な目的で、西日本を中心に各地で行われています。

天冠 

長崎県の平戸市周辺では、出棺の際に「野辺送り」の名残として白い三角巾を額に付けたり頭に被ったり、綿帽子を被ったりする風習があります。 

これは『天冠』や『宝冠』と言われる死装束で、白い色はこの世とあの世を結ぶ象徴と考えられています。 

 故人と同じ白い布を付ける事で「途中までは一緒に見送れますが、その先は一人で旅立って下さい」という思いで行われる習慣です。 

三日参り 

『三日参り』とは、葬儀の翌日に再度お寺を訪れることで、通夜や葬儀のお礼などを行うというものです。 

地域によっては、骨揚げを行った後、そのままお寺を訪れて三日参りを行うというところもあるようです。 

三日参りの法要では、豪華な御膳などは準備せず、軽いお菓子程度で行うことが多いようです。

この『三日参り』の内容は、地域によって異なるようで、 一部地域では初七日の法要も同時に行われることが有るようです。

まとめ 

長崎県の葬儀の流れは、全般的に西日本の葬送習慣と同様ですが、県内に多くの島々が存在するため、地域独特の風習も残されています。 

また、キリスト教と縁が深いため、他の地域に比べ、キリスト教式の葬儀が多く行われるのも特徴の一つです。

なお、今回は参列される方向けに記事を書いていますが、喪主の方は事前に多くの準備が必要となります。『【通夜・葬儀】事前に準備しておくべきこと』で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

もしこの記事が誰かの役に立てば幸いです。