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【地域別】葬儀の特徴~宮崎県編

2021年4月18日

ども まことじいさんです。

葬儀の風習なんて、地元でも知っている人は少ないですよね。

じいさんは遠州地方(静岡県西部)在住ですが、元々は関東出身で遠州地方の風習に詳しくありませんでした。
母が亡くなった際に調べたところ、葬儀に関しても地方独特の風習があって驚きました。
通常、白木の位牌から本位牌への切り替えは四十九日の法要の時に行われますが、遠州地方では初盆から一周忌法要の間に行われます。

このような地方独特の風習はどの地方でも見られますが、知らない人も多く葬儀の際に慌てることもあると思いますので、まとめておこうと思います。
今回は宮崎県編です。

 宮崎県は、天孫降臨の地として広く知られており、特に高千穂峡は、日本古来から存在する神話において、とても重要な場所とされています。 

そのため、宮崎県には神道が深く根付いており、文化にも影響を与えているようです。 

目覚まし(めざまし、まざまし) 

東日本では、一般の参列者も通夜振る舞いに参加しますが、西日本では、通夜は身内だけで過ごすのが一般的です。 

宮崎県も同様に、通夜振舞いは行われませんが、『隣組』などの近隣組織が持ち寄ったお菓子を参列者に分け、持ち帰ってもらう習慣があります。 

また、お菓子の代わりにお米を持ち寄り、ご飯を炊いておにぎりを振る舞う場合もあります。 

宮崎県では、この習慣を『目覚まし』と呼んでいます。 
 
元々は、他の地方の『夜伽見舞い』や『淋し見舞い』と同じような意味合いで、夜通し起きている近親者をいたわる風習だったようですが、いつの頃からか、みんなで分かち合って持ち帰るというものに変わったようです。 

『目覚まし』の習慣は、熊本県が発祥の地とされ、九州各所で古くからの慣習として代々受け継がれてきました。 

『目覚まし』と呼ばれるようになった所以は、「故人にもう一度目覚めて欲しい」という思いから、あるいは、「仏法に目覚めよ」という意味から、様々な説があるようです。 

いろ 

宮崎県の一部地域では、出棺の際、遺族が首に『いろ』と呼ばれる白い布を巻いて火葬場に向かいます。 

また、『いろ』を首に巻いて火葬場に行くことを、『いろをつける』といいます。 

白装束の代わりに白い布を付けて、故人様と同じ衣装で見送ることで、「故人が旅立つまでは同じ格好をしてお見送りしますので、その先はどうかお一人で旅立ってください」という思いが込められた風習のようです。 

また、「白」という色は、この世とあの世を結ぶ色であるとも考えられているため、出棺の際に身に着けるようになったという説もあるようです。 
宮崎県には、古くから霊道に繋がっているとされる寺社が数多く存在し、白蛇や白ギツネが祀られているため、昔から「白」は神の証とされてきました。 

使用された白い布は、火葬後に厄除けのために数日間、玄関先や近くの木に括りつけられます。 

茶碗割り 

宮崎県でも、西日本の他の府県と同様に、出棺の際、故人の愛用していた茶碗を割る風習が広く見られます。 

この風習には、「この世への未練を断ってもらい、あの世に迷わず旅立ってもらえますように」との、遺族の願いが込められています。 

『茶碗割り』の作法は、地域によって異なり、道に投げつけて割るところもあれば、和紙や布に包んで静かに割るところもあります。 

しかし、最近では都市部などを中心に、近隣への気遣いのため、大きな音が出る『茶碗割り』は、行われることが少なくなっているようです。 

出で立ちの膳 

九州地方では、出棺の際に『出で立ちの膳』と呼ばれる会食をする習慣がありますが、宮崎県でも同様に、遺族や親族のみで行われます。 

『出立ちの膳』は、故人と最後にいただく食事として、今でも大切に受け継がれているようです。 

不浄払い 

古事記にも「天孫降臨の地」として記される宮崎県は、「神の国」とも言われています。 

そのため、家の中に神棚が置かれることが多い宮崎県では、葬儀の前に、家の中の神棚を閉じ、和紙で神前を覆う『神棚封じ』を行います。 

神道では、死を「穢れ」と捉えるため、大切な神様を死の穢れから守るために、神棚を封じるのです。 

葬儀が終わると、今度は葬儀に使われた場所を、神棚から食器に至るまで払い清める『不浄払い』を行います。 
葬儀会場のお浄めが済んだら、すぐに神官に知らせます。 

時には、神官を招いて『不浄払い』を行うこともあるようです。 

まとめ 

天孫降臨の地として有名な高千穂峡がある宮崎県は、神道の影響が強いのが特徴です。

宮崎県の葬儀の流れは、全般的に西日本の葬送習慣と同様ですが、神道の影響から死を穢れとと考え、その穢れから神様を守ろうとする意識は、他の地域に比べ、非常に強いようです。 

なお、今回は参列される方向けに記事を書いていますが、喪主の方は事前に多くの準備が必要となります。『【通夜・葬儀】事前に準備しておくべきこと』で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

もしこの記事が誰かの役に立てば幸いです。