【地域別】葬儀の特徴~北海道編~
ども まことじいさんです。
葬儀の風習なんて、地元でも知っている人は少ないですよね。
じいさんは遠州地方(静岡県西部)在住ですが、元々は関東出身で遠州地方の風習に詳しくありませんでした。
母が亡くなった際に調べたところ、葬儀に関しても地方独特の風習があって驚きました。
通常、白木の位牌から本位牌への切り替えは四十九日の法要の時に行われますが、遠州地方では初盆から一周忌法要の間に行われます。
このような地方独特の風習はどの地方でも見られますが、知らない人も多く葬儀の際に慌てることもあると思いますので、まとめておこうと思います。
今回は北海道編です。
目次
火葬
函館地方では前火葬が主流
一般的には通夜・葬儀の後に火葬が行われますが、道南の函館市や釧路市の一部では近親者のみで仮通夜を営んだ後、本通夜の前に火葬を行うことが多いようです。
この前火葬の風習は東北地方の一部でも見られる風習で、通夜の前に火葬されてしまい葬儀が始まる時点では既に遺骨になってしまっている骨葬になるため、火葬後に参列された方は最後のお別れは出来ない事になります。
最後のお別れを希望される方は、事前に確認して早めに参列する必要があります。
これに対し、根室市などでは、近親者のみで仮通夜を行った後で本通夜を営み、火葬したのちに葬儀を行います
また、札幌市などでは本州と同様に通夜→葬儀・告別式→火葬の順に行います。
なぜ前火葬を行うのか
『漁業が中心だったため漁の都合で、先に火葬して後日に葬儀を行うようになった』『1155人が犠牲になった洞爺丸の遭難の際に、多数の葬儀を行うため先に火葬を行ったことが始まり』など色々な説があります。
骨箱
十勝や帯広など、北海道の中でも寒さが厳しい地域では、骨壺ではなく骨箱やさらしの納骨袋にお骨を納めます。
これは寒さで骨壺が割れてしまう事があるからです。
香典について
北海道では受付でお香典を渡すと、中身を確認して領収書が発行されます。
かつて北海道では吹雪などで通夜・葬儀に駆けつけられない方が、別の参列者に香典を立て替えてもらうことがあったことから生まれた風習のようです。
他の地域では見られない風習なので、驚かれる方も多いようです。
また、このような事情から北海道では香典袋の中に、しっかりと住所・氏名・連絡先を記載するので芳名帳の記入は無いことが多いそうです。
さらに、北海道では葬儀より通夜に参列することが多く、香典も通夜に渡すのが一般的で、葬儀に参列するのは、親族と通夜に参列できなかった方のみとなります。
写真撮影
北海道では葬儀の際に、祭壇の前に親族が揃って記念写真を撮る習慣があります。
広大な北海道では親族が一堂に揃うことが困難で、なかなか機会がないためにこのような風習が生まれたようです。
このため北海道の葬儀社では、葬儀のプランの中に撮影スタッフの派遣も含まれていることもあるそうです。
撮影した写真は後日、親戚一同に配られることも多いです。
香典返し
本州では、頂いたお香典の1/2から1/3程の品物、を四十九日の法要後に香典返しとして贈ることが多いですが、北海道では1000~1500円程の返礼品を香典と交換で渡すことが多く、改めて香典返しを贈ることは少ないようです。
困ったときはお互い様という相互扶助の意識から、このようにする習わしになったようです。
北海道は、さまざまな地域から来た開拓民が、助け合って生きてきた経緯から、助け合いの精神が他の地方より強いのかも知れませんね。
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近年は葬儀が簡略される傾向から、本州でも葬儀の後に初七日の法要を繰り上げて行うことが多くなっていますが、北海道では四十九日の法要まで繰り上げて行います。
これもやはり、親族がたびたび揃うのは困難なことから生まれた風習で、四十九日の法要は近親者のみで小規模に行うことが多いようです。
霊柩車
本州では斎場に向かう際、遺族は故人の棺と共に霊柩車で移動し、親族は葬儀社のバスや自家用車で移動することが多いですが、北海道では霊柩車を用いることは少なく、棺を納めるスペースを持つバスで移動することが多いです。
これは、積雪が多いため複数台で移動するよりも、バスで一度に移動した方が合理的であるとの理由からです。
訃報広告
最近では見掛けることが少なくなった新聞の『お悔み欄』ですが、札幌市周辺では現在も北海道新聞や読売新聞、毎日新聞などに無料で掲載する事が出来ます。
また、黒枠で囲った『死亡広告』も有料で利用することが可能です。
まとめ
北海道は他の都府県と比べ広大な土地を持ち、気候も厳しいため親族が集まることも困難であることや、日本全国から集まった人たちが助け合いながら開拓した経緯などから、相互扶助の精神が根付いており、生き抜くための合理性を優先した結果このような独特の風習が育まれたと思われます。
他の地方から北海道の葬儀に参列される際は、戸惑うことが無いように確認することをお勧めします。
今回は参列される方向けに記事を書いていますが、喪主の方は事前に多くの準備が必要となります。『【通夜・葬儀】事前に準備しておくべきこと』で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
もしこの記事が誰かの役に立てば幸いです。
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