【知っておくべき】喪主としての臨終から一周忌までの流れ
ども まことじいさんです。
初めて喪主を務めるのは、本当に不安だらけですよね。大切な家族を亡くした時、人は想像以上に精神的なダメージを受けるものです。
じいさんは先日、母の一周忌を無事に済ませることが出来ました。
この記事を読まれているあなたは、大切な家族を亡くされた方、もしくは身内に高齢の方や病気療養中の方をもたれているお立場でしょうか。
かつて同じ思いをした者として、心中お察しします。
じいさんは事前に何の予備知識も持ち合わせていませんでしたので、それはもう右往左往の大変な一年で、事前に葬儀社に相談しておけば、どんなに負担が少なかっただろうと思うことも沢山ありました。
ですので、その反省を含めて、今日は喪主としての一周忌までの流れを、ザックリとお伝えしたいと思います。
一連の流れを知っておくだけでも、心構えができますし、いま何が出来るのか考える参考になると思いますので、ぜひ最後までお読みください。
なお、ご危篤・ご逝去から通夜・葬儀までの流れや費用などについて詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
一般の方でも分かりやすいよう、一つひとつの儀式について時系列に沿って詳細に解説されています。
目次
通夜・葬儀まで
自分で喪主をつとめた経験が無い方は、通夜・葬儀から先のイメージしかないと思いますが、実はそこに至るまでが一番忙しくて大変なのです。
身内を亡くしたショックと悲しみの中で、やらなくてはならないことが次々と押し寄せます。
この辺りについては『【通夜・葬儀】事前に準備しておくべきこと』で詳しく解説していますので、ぜひ読んでみて下さい。
病院で亡くなった場合
病院で亡くなったり、医師が看取りに立ち会った場合は『死亡診断書』をもらって遺体の搬送になります。
基本的には、亡くなった当日に自宅または葬儀社の安置所に搬送します。
この時点で利用する葬儀社が決まっていない場合、搬送を依頼する葬儀社探しから始めなくてはなりません。
精神的に大変な負担になりますし、あまり良心的でない葬儀社に付け込まれる可能性が高くなります。
そのため、出来れば利用する葬儀社だけでも、事前に決めておくことをオススメします。
自宅で亡くなった場合
もし自宅で亡くなった場合は、警察の検死や実況見分が入ります。
状況にもよるようですが、かなり長時間にわたりいろいろ聴取されるケースが多いようです。
現場を調べたり監察医が死因を特定したりして、最終的に「事件性が無い」と判断されるまで続きます。
知人の身内が自宅で亡くなった際は、8時間以上かかったようです。
万が一その場で死因が判明しない場合は警察に搬送され、戻るまでに数日かかることもあるようです。
また自宅で亡くなった場合は、葬儀までに警察に『死体検案書』をもらいに行かなければなりません。
遺体安置後
枕経の依頼
ご遺体を自宅または葬儀社の安置所に安置したのち、まず手配するのは枕経の依頼です。
基本的には菩提寺や日頃からお付き合いのある寺院に依頼しますが、僧侶の都合がつかない場合などは、葬儀社などから同じ宗派の別の寺院を紹介されることもあるようです。
枕経とは、臨終に際し僧侶によって仏弟子が往生出来るように枕もとで上げるお経です。
枕経が済むとお線香を手向けることが出来るようになります。
僧侶がみえる前に枕飾りを行いますが、最近ではそのあたりの手配は葬儀社の方で行ってくれることが多いようです。
枕経に参列するのは近親者のみで、平服にて行います。
その後、戒名や葬儀の相談をするために、僧侶に故人の生前の人柄や暮らしぶりについてお伝えします。
最近では、葬儀の簡略化に伴い枕経が省略されることもあるようです。
打ち合わせ
枕経の後は葬儀社と僧侶を交えて通夜・葬儀の日取りを相談します。
僧侶が帰られたのちに、葬儀社と通夜・葬儀について細部にわたり決めていきます。
遺影などに使用する写真も、葬儀社に渡しておきます。
写真は葬儀社で加工するので、正面や斜め正面を向いていれば問題ありません。
宗派や状況によって異なりますが、通常は身内が亡くなって一日から一日半の間に上記の作業を行わなければなりません。
亡くなった方が互助会に入っているなど、事前に利用する葬儀社が決まっていれば良いのですが、決まっていない場合はまず葬儀社を探すことから始めなければなりません。
亡くなる前から葬儀のことを考えるのは、縁起が悪いと思うかもしれませんが、近親者が亡くなった時に、落ち着いて冷静に判断できる人は多くはないと思います。
あとから後悔するよりは、事前に考えておくことは悪いこととは思いません。
実際に経験した立場から、出来れば事前に葬儀社だけでも決めておいた方が良いと思います。
また、葬儀費用は後から思いのほか膨らんだりします。
いくつかの葬儀社で葬儀内容を含めて相談して見積もりを複数取って比較すれば、予算に合った葬儀社を選ぶことが出来ます。
複数の葬儀社に一括して見積もりをしてもらえるサービスもありますので、時間の取れない方は利用してみてもよいかもしれません。
ご遺体の搬送ひとつとっても個人では難しいので、葬儀社の力を借りることになりますし、死亡届の提出や火葬許可証の取得も代行してくれる葬儀社が多いです。
事前に葬儀社だけでも決めておけば、いざというときの精神的負担はかなり軽減されると思います。
通夜・葬儀
「通夜・葬儀」の段取りについては、前日までに葬儀社と入念に打ち合わせをしておけば、問題なく進行してくれます。
信用できる葬儀社なら、プロとしてしっかり仕事をしてくれますので、安心して任せられます。
そのためにも、事前によく調べて、希望に合った葬儀社を選んでおく必要があるのです。
必要な物
- お布施
- 棺に入れるもの(生前のお気に入りの服など燃える物は問題ないですが入れ歯などはNG)
- 切手盆または袱紗(僧侶にお布施を渡す際は直接ではなく、切手盆や袱紗に乗せて渡します)
- その他にも宗派や葬儀社によって必要な物もありますので、事前に相談しておきます。
通夜が始まる前
納棺
通夜を葬儀場で行う場合は、葬儀社のスタッフにより化粧を施し、通夜が始まるまでに納棺師と近親者によって納棺を行います。
段取りは葬儀社によって異なりますが、基本的には式場スタッフの進行に従って行われます。
式場の司会担当との打ち合わせもこのタイミングで行います。
また、受付の担当(事前に親族や知人に依頼しておいた方が良いでしょう)との打ち合わせも済ませておきます。
通夜を自宅で行う場合も葬儀社のスタッフが入って諸々の段取りは行ってくれますが、通夜振る舞いなどは喪主が用意する必要があります。
僧侶への挨拶
通夜の開始時間前の早めの時間に、通夜・葬儀をとり行う僧侶が式場に入られます。
タイミングをはかって式場スタッフが喪主に挨拶を促しますので、喪主は僧侶控室を訪ねて挨拶をしてお布施を渡します。
お布施の相場は宗派や戒名によって違いますが信士・信女の場合だいたい30~50万円ほどのようです。
昔は「お気持ちで」などと言って金額を伝えない僧侶が多かったのですが、最近では金額を事前にはっきり伝えてくれる僧侶も多いようです。
お気づきかと思いますが、通夜当日以降はほどんど式場スタッフの指示に従っていれば、滞りなく進行されていきます。
逆に言えば式当日に大幅な変更は難しいということですので、事前にしっかり相談しておきましょう。
信用できる葬儀社を選べば遺族の負担は大幅に軽減されますので、見積もりや相談の際に信用できる葬儀社かどうか、しっかりと見極めることが肝心です。
全国対応、低価格のシンプルな葬儀【小さなお葬式】通夜
通夜を式場で行う場合は、通夜が始まってしまえば読経や焼香・喪主挨拶など事前の段取り通りに、司会や式場スタッフによって進行されます。
合掌や焼香のタイミングも、適宜アナウンスされますので心配ありません。
また式終了後の通夜振る舞いも、式場スタッフの案内に任せておけば大丈夫です。
その後に参列者は解散となり、数名の遺族が式場の控室などに泊まって夜通し見守ります。
かつては、交替で仮眠をとりながら灯明と線香を絶やさないように見守ったようですが、現在は渦巻き状の8時間位燃え続ける線香を葬儀社が用意してくれることが多いです。
葬儀社や式場の規模によって、控室にトイレはもちろん風呂まで用意されている所もあれば、控室が無く遺族が泊まれないため一旦帰宅するかたちになるところもありますので、事前に確認が必要です。
葬儀
葬儀も通夜と同様、基本的には事前に内容をきちんと決めておけば、葬儀社スタッフや司会に促されるままに任せておいても、問題はないと思います。
近年は初七日法要も葬儀当日に行ってしまう事が多いようです。(私の地元の静岡県西部の遠州地方では三日の法要も同時に行いました)
斎場への移動や斎場での軽食、式場に戻ってからの精進落としや、引き出物のお渡しまで行ってくれる葬儀社もあります。
通夜・葬儀は、宗派や地域によって作法が異なる場合がありますので、菩提寺や葬儀社に確認しておくことをお勧めします。
分骨について
手元供養などの為にお骨を分ける場合は、事前に葬儀社に伝えておけば、斎場で埋葬許可証とは別に分骨証明書を発行してもらえます。
分骨証明書があれば、手元供養していた遺骨を、後になって樹木葬などの形で納骨することも可能です。
後日でも、納骨前なら斎場で発行してもらえますが(地域によっては自治体)、納骨後は墓地の管理者に発行してもらいます。
葬儀後
葬儀を済ませて自宅に戻ったら、祭壇を設置し遺骨や遺影、卒塔婆などを安置します。
葬儀社によってはこの祭壇の設置まで行ってくれる場合もあります。
祭壇にはお花や供物を供えますが、四十九日までは水とご飯1合を茶碗に山盛りにしたものに箸を刺して毎日お供えします。
出来れば7日ごとに霊供膳を供えますが、宗派によってお膳の配置も違いますので、確認しておいた方が良いかもしれません。
お膳は手前を奥に向けて供えます。
死亡診断書
葬儀以降には、年金や保険など多くの事務手続きが必要になりますので『死亡診断書』や『死体検案書』は、5~10部ほどコピーしておくことをお勧めします。
四十九日の法要
四十九日の法要は、故人が極楽浄土に行く為の、最後の裁判を受ける日とされている49日目に行う法要です。
49日目には、薬師如来の功徳によって、生前の身体や心の傷を治して、極楽浄土に旅立つ日とされています。
ちょうど49日目に行うのが良いとされていますが、都合が合わない場合は前倒しの日取りで行います。
四十九日の法要の後、納骨を済ませ会食という流れが一般的です。
四十九日の法要を済ませると忌が明けて、遺族は日常生活に戻っていきます。
香典返しも四十九日の法要の後に渡します。
必要な物
- お布施
- お車代(お寺以外の自宅などで法要を行う時のみ)
- 御膳料(僧侶が会食に参加しない場合のみ)
- 切手盆または袱紗
- 位牌(四十九日の法要の際に本位牌に切り替える地域では本位牌も当日までに用意します)
- 遺骨
- 遺影
- お供物
- お墓に供える花
四十九日の法要の際に本位牌に切り替える地域では、白木の位牌と本位牌を持参し、魂を本位牌に移す『開眼供養』を僧侶に行っていただきます。
また代々のお墓に納骨する場合には、お墓を一度開けなければなりません。事前に石材店に法要の日取りを伝えて開けておいてもらいます。
お布施について
四十九日の法要の際のお布施は、葬儀の際のお布施の金額の1/10程度が一般的とされています。
またお車代やお膳料は、5千円から1万円程度包むのが一般的です。
お布施は奉書紙に包むか白封筒にいれます。
お車代やお膳料も白封筒に入れて、お布施の下になるように渡します。
位牌について
一般的に、四十九日の法要の際に、白木の位牌から塗りの本位牌に切り替えますが、私の地元の遠州地方では、初盆から一周忌の間に切り替えることになっています。
宗派や地域によって異なりますので、菩提寺に確認しておくことをお勧めします。
本位牌は仏具店などに製作を依頼します。
出来上がりまで時間かかかることもありますので、余裕を持って早めに依頼しておく事をお勧めします。
最近はネットでも購入が可能です。
初盆について
お盆は地域によって旧盆の七月に行うところと、新盆の八月に行うところがあります。
初盆は通常のお盆よりも盛大に行うところが多く、法要も営まれます。また、自宅には盆提灯を飾るなどして、初めて故人を迎える準備をします。
初盆供養は、自宅で行う地域もあれば、菩提寺に檀家が集まって行われる地域もあります。
じいさんの菩提寺では、初盆を迎える檀家が集まって、初盆を迎える全員分の名前と戒名を読み上げ、全檀家のための施餓鬼供養を一括して行います。
初盆の施餓鬼供養は、地域によってかなり異なりますし、宗派によっても違いがありますので、四十九日の法要の際など何かの折に菩提寺などに確認しておくことをオススメします。
一周忌について
一周忌法要は亡くなってから丁度一年後の祥月命日に行われる法要です。この日をもって喪が明けることとなります。
お寺や墓前で僧侶による読経・焼香の後に、食事を振る舞うというのが一般的な流れです。
必要な物
- お布施
- お車代(お寺以外の自宅などで法要を行う時のみ)
- 御膳料(僧侶が会食に参加しない場合のみ)
- 切手盆または袱紗
- 位牌
- お供物
- お墓に供える花
- 遺影(葬儀に使ったものでも他の写真でも構いません)
お布施について
お布施の金額や渡し方は、基本的に四十九日の法要の際と同様です。
まとめ
喪主をつとめる機会は、一生のうちでも多くはありませんので、ほとんどのかたは初めての経験で不安だと思います。一通りご覧いただくと分かると思いますが、通夜・葬儀以降は、そこまで至る準備に比べれば、さほどの苦労ではありません。
しっかりと信用できる葬儀社を選んでおけば、後々トラブルになることもありません。また、詳細に葬儀の内容を決め希望を伝えて、疑問点を確認しておけば後悔することも無いでしょう。
しかしながら、臨終から通夜・葬儀までの間には時間的な制約もあり、上記の作業を確実に実行するのは困難です。
じいさんも結果的にはそれなりに満足のいく弔いが出来ましたが、事前に少しでも考えておけば、あれ程まで苦労しなくても済んだのにと後悔はしています。
もし、あなたに時間が残されているなら、事前に少しでも考えてみることを強くお勧めします。
一般的にイメージされる通夜・葬儀を行うと100万円前後の費用がかかりますし、菩提寺へのお布施も加えれば150万円以上の金額が必要になります。近年は家族葬という言葉をよく耳にしますが、要は小規模な式場で少人数で行われる一般葬であり、費用もそれなりにかかります。
もし、あなたが葬儀費用に不安を感じているのなら【心配無用】葬儀費用を用意する方法と費用の抑え方を読んでいただければ、少しは不安が軽減されると思います。
うちの菩提寺の僧侶は故人を偲び、弔う気持ちこそが大事なのであり、形式にこだわる必要はないと言っていました。
「弔いとは亡くなった方の為のものでもあるが、残された遺族が生きていく為のものでもある。残された遺族が、葬儀費用のために後々になって困るようでは、本末転倒になってしまう。」
「そうならないよう僧侶と葬儀社は協力して、出来るだけ希望に沿うようにするから、一般葬であっても直葬であっても心配いらない」と言っていました。
それぞれの家族できちんと話し合って、しっかり希望を伝えることが、肝心なのではないのでしょうか。
もし、この記事が誰かの役に立てば幸いです。
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