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【地域別】葬儀の特徴~東京都編~

2021年3月17日

ども まことじいさんです。

葬儀の風習なんて、地元でも知っている人は少ないですよね。

じいさんは遠州地方(静岡県西部)在住ですが、元々は関東出身で遠州地方の風習に詳しくありませんでした。
母が亡くなった際に調べたところ、葬儀に関しても地方独特の風習があって驚きました。
通常、白木の位牌から本位牌への切り替えは四十九日の法要の時に行われますが、遠州地方では初盆から一周忌法要の間に行われます。

このような地方独特の風習はどの地方でも見られますが、知らない人も多く葬儀の際に慌てることもあると思いますので、まとめておこうと思います。今回は東京都編です。

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逆さ臼

東京でも稲城市などの多摩地域では『逆さ臼』と呼ばれる風習があります。

葬儀・告別式のあと火葬場から戻ると、逆さに置かれた臼に腰かけて清め塩をするというものですが、現在では臼を所有している家庭はほとんど無いため、臼の絵を描いた半紙を逆さにしてイスに貼り付けて代用しているようです。

これは「臼(うす)」を「失す」と解釈することで「悪事を失す」という意味を表しているとされています。

通夜振舞い

関西を中心に西日本では、通夜振る舞いは親族を接待するもので一般参列者は参加することはほとんどありませんが、東京都の通夜振る舞いは一般参列者も含めて通夜の参加者全員に振舞われます。

食事をしながら、故人を思い語らうことが供養とされる昔ながらの習慣で、地域によっては『お清め』と呼ばれる事もあります。

大皿に盛られた料理やお酒などをすすめられたら、遠慮なく一口でも箸をつけるのが礼儀とされています。

しかし一方で、福生市周辺では、通夜振る舞い自体行われないことが多いようです。

火葬

民営の火葬場

東京の特徴的なお葬式事情として、自治体が運営する火葬場が不足していることから、民営の火葬場が多数存在するという点があります。

それでも火葬場が混み合うため、火葬まで5日から1週間ほど期間が空く場合があり、通夜からお葬式が終わるまでかなりの時間を費やす事が多いようです。
23区内には9ヵ所の火葬場がありますが、公営の火葬場は江戸川区の瑞江葬儀所と大田区の臨海斎場の2ヵ所だけで、他の7ヵ所は民間が運営する火葬場です。

他の主要都市と比較すると、横浜市の人口約370万人に対して公営の火葬場は4箇所あり民営の火葬場は1ヵ所、大阪市の人口約270万人に対して公営の火葬場は5箇所で民営の火葬場は1ヵ所です。
それに対して、東京23区の人口約920万人に対して公営の火葬場は2箇所だけですので、いかに少ないかが分かります。

臨海斎場は民営に比べれば料金は多少安いですが、その料金で使用できるのは港区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区民に限られます。
そのほかの区民が使用できないわけではありませんが、上記5区以外の方は使用料が高く設定されています。

瑞江葬儀所は、基本的に誰でも利用可能ですが、都民料金と都民以外で違った料金設定がされています。
年々料金が上がっていっているため、近くに住んでいない限り、使用するメリットはあまり無くなってしまいました。

火葬費用

東京23区内にはには公営の火葬施設が、江戸川区の瑞江葬儀所と大田区の臨海斎場の2ヵ所しかありません。

「臨海斎場」であれば、故人か施主が組織区民(大田区、目黒区、世田谷区、品川区、港区)であった場合、40,000円で利用できますが、それ以外の地域の都民が利用する場合の費用は80,000円となります。
また、「瑞江葬儀所」は、23区内で唯一の都営火葬場であるため故人や施主が東京都民であれば、61,000円で利用できますし、それ以外の人でも、79,200円で利用できます。(瑞江葬儀所には式場は併設されていません)

それに対して、民間の火葬場は一般的な火葬炉「最上級」を利用する場合、料金は一律で75,000円となります。その他、個室炉の「特別殯館」は145,000円、大規模個室炉の「貴殯館」は280,000円で利用できます。

同じ東京都でも23区以外の市部では、公営の火葬場が8ヵ所あり、地域住民であれば無料で利用できることもあります。

また、火葬中の控室の利用にも瑞江葬儀所と臨海斎場では別途費用がかかりますが、市部の公営の火葬場では下記の条件を満たしていれば控室1室までは無料で利用できるところがほとんどです。

東京23区以外の市部の公営火葬場と無料で利用できる条件一覧

青梅市民斎場青梅市民は無料
立川聖苑立川市、昭島市、国立市の住民は無料
八王子市斎場故人が八王子市民の場合は無料
日野市営火葬場日野市民は無料
府中の森市民聖苑府中市民は無料
南多摩斎場八王子市、日野市、多摩市、稲城市、町田市の住民は無料
瑞穂斎場瑞穂町、福生市、武蔵村山市、入間市、羽村市の住民は無料
ひので斎場日の出市、あきる野市、奥多摩町、檜原村の住民は無料
立川聖苑、日野市営火葬場以外は式場も併設されています。

ちなみに、じいさんの地元の浜松市では、浜松市民であれば、火葬費用や斎場の親族控室の利用料も、基本的に無料です。

前火葬

東京都では基本的に、通夜→葬儀→火葬→初七日の繰り上げ法要の順で執り行われますが、あきるの市や日の出町では通夜→火葬→葬儀の順に行われる『前火葬』となります。

前火葬の場合は葬儀・告別式は『骨葬』となるため、葬儀から参列する方は最後のお別れに顔を見ることは出来ません。

あきる野市や日の出町周辺の葬祭に参列される場合、最後のお別れをしたい方は通夜式に参列される方が良いかと思います。

繰り下げ初七日

東京都では、公営施設や火葬場併設の民営施設など、人気のある式場では1週間先まで予約が埋まっていることも多いため、通夜を行えるのが7日後ということも珍しくありません。

特に年末は込み合っていて、葬儀まで10日以上待たなければならないということも少なくありません。

お葬式までの間、故人は自宅、または火葬場に併設されている冷蔵保管庫や、葬儀社の安置施設などで安置されますが、この場合、初七日は、繰り上げではなく、繰り下げになってしまう事になります。

まとめ

23区以外の市部では、現在でも古くからの習慣が残っている地域もあります。

しかし、東京都には地方出身者が多く集まり、今では生粋の江戸っ子は少なくなっていることに加え、核家族化が進んで世代間での文化の継承が行われにくくなっているため、特に23区内では古くからの伝統は、ほとんど見られなくなってしまったようです。

東京都の葬祭事情で特筆すべきは、火葬費用の高さです。

火葬費用の全国平均は11,000円前後で、地方の主要都市である大阪府でも17,000円程であるのと比べ、東京都の火葬費用の平均は55,000円前後とかなり高額になっているのが分かります。

火葬費用は全国的に上昇傾向にあり、23区内にある7ヵ所の民営の火葬場のうち、6ヵ所を運営する東京博善株式会社でも、2021年1月から16,000円の値上げを行っています。

なお、今回は参列される方向けに記事を書いていますが、喪主の方は事前に多くの準備が必要となります。『【通夜・葬儀】事前に準備しておくべきこと』で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

もしこの記事が誰かの役に立てば幸いです。