【終活とは】自分の人生と向き合うための時間
ども まことじいさんです。
学生時代、人はみんな将来に向けていろいろな準備をします。『終活』も同様に、未来に向けての行動と言えるのかもしれません。
じいさんの妹は46歳という若さで、ある日突然、脳出血でこの世を去りました。
ほとんどの人は、明日が来ることを当たり前と感じていると思いますが、じいさんは、実はそうではないことを身をもって知りました。
この経験から、じいさんはすぐに『終活』について調べ始めました。
今では『終活』についての情報は、ネットで検索するだけでも星の数ほど見つかりますので、情報収集には事欠きません。
しかし、基本的には終活関連企業のページばかりで「自分自身の経験」に基づいた内容の記事はなかなか見つかりません。
ですので今回は、じいさんが母や妹を送り出した経験に基づき『終活』について書いていこうと思います。
「これから終活をするか検討中」または「今まさに終活中」といった方にとっては、参考になると思いますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
終活とは『死』ではなく『よりよく生きる』ための活動
『終活』と聞くと「死ぬための準備」というイメージをもたれている方が多いと思いますが、実際には「今、そして未来」を、安心して『生きる』ためのものだと、じいさんは考えています。
何かのきっかけ(家族や友人の死、大病など)で「死」を意識すると、多くの人が不安を感じるのは、自分の死後のことだと思います。 中でも多くの日本人が考えるのは「子供に負担をかけたくない」ということのようです。
『終活』とは、不安を解消することで、安心して日々を過ごし『よりよく生きる』ための活動と言えるでしょう。
では具体的には何をすれば良いのでしょう?
エンディングノートを用意する
普段から自分自身の死後のことについて、家族と話し合っている人は少ないでしょう。
たとえ家族が相手といえども、自分の気持ちを包み隠さず話すというのは、なかなか難しいものです。
自分自身の所有財産(預貯金・不動産・株など)の遺産分割については「遺言書」というものがあります。
しかし「遺言書」は自分が亡くなるまで開かれることはありませんし、その性質上、家族などに自身の希望やメッセージを伝えるものではありません。
また、遺産分割に関して法的拘束力を持つものなので、形式に厳密な決まりがあり、個人で書き上げることは困難です。
対して「エンディングノート」は、ノートと筆記用具さえあれば、いつでも書くことができますし、家族にその存在を伝えておけば、いざという時に家族はあなたの希望を知ることができます。
また、ノートに書き出してみることで、潜在的な自分の気持ちに気付くこともあるでしょうし、ご自身が亡くなるまで誰にも見られることのない「日記」のようなものなので、思いを包み隠さずを表現することが出来るでしょう。
「エンディングノート」には、特に決まった形式があるわけではありませんので、ペンを執った時点での自分の考えや、今後やりたいこと、家族への思いなど感じたままに書けば良いと思います。
ただ、あなたが亡くなった後、家族の負担を減らすために記載しておいた方が良いこともあります。
もし、何を書けばよいのか分からなければ、すでに書き出しておくべき項目が記載された「エンディングノート」も市販されていますし、葬儀社の無料相談会などに参加すると、配布されることもありますので、そういったものを利用しても良いかもしれません。
ここからは遺族の立場で、書き残してあると助けになる項目について挙げておきたいと思います。
延命治療について
現在では、がんなどの病気で根本的な治療法が無くなると、病院の対応は治療ではなく緩和ケアに切り替わります。
そして、最期の時を迎えた時に、家族は延命治療をするかどうかの選択を迫られます。
たとえ意識が戻ることはなくても、人工心肺を付けるなどの方法で、命だけつなぐことは可能です。
しかし、意識が無い状態になってしまってからでは、本人の意思を確認することは出来ませんので、結果的に家族が決断することになるでしょう。
ただ、延命治療の希望の有無について「エンディングノート」に記載しておけば、少なくとも本人の意思を確認することが出来ますし、家族の決断の助けにはなるはずです。
じいさんの母は、緩和ケアに入る時点で延命治療を望まないという意思表示をしていたので、最期は酸素吸入と痛み止めのみで、延命治療はしませんでした。
乳がんで長い闘病ののちに亡くなったので、最期の日を迎えるまでに時間をかけて、いろいろと家族で話し合いながら決めていくことが出来ました。
しかし、急病や事故などで突然に亡くなった場合は、こういった準備をしておくことはできませんので、延命治療の希望の有無については記載した方が良いと思います。
参列希望者について
家族が亡くなると、残された遺族は葬儀の準備を始めることになりますが、別々に暮らしていた場合は、故人の交友関係などについては知らないことが多いようです。
この場合、葬儀を行う遺族は「誰に連絡するべきなのか」「参列者の人数はどれくらいなのか」が全く分からず、困惑することになってしまいます。
しかし「エンディングノート」に、参列して欲しい人の情報(住所や電話番号)をリストにして記載しておけば、遺族はこうした苦労から解放されます。
希望する葬儀形式
かつては葬儀と言えば、一般葬と呼ばれる「通夜→葬儀・告別式→火葬」という流れで、多くの人が参列して行われることが多かったのですが、現在では『直葬(火葬式)』『一日葬』『家族葬』など様々な形式が存在します。
「家族や親族など親しい人だけで見送ってもらいたい」など希望する形式があれば、記載しておくと良いでしょう。
希望する葬儀内容
最近では、葬儀社の演出も様々で、あらかじめ希望を伝えておけば臨機応変に対応してくれるところも多いようです。
「無宗教の葬儀にしたい」「故人が好きだったアーティストの音楽をかけて、明るく送り出してほしい」「たくさんの花で、きれいに飾って欲しい」などの希望があれば『エンディングノート』に記載しておくと、遺族も参考にしやすいはずです。
全国対応、低価格のシンプルな葬儀【小さなお葬式】希望する埋葬方法
遺体については、荼毘に付して家族のお墓に納骨するのがオーソドックスな流れですが、近年では「永代供養墓」「樹木葬」「海洋散骨」など様々な方法が存在します。
もし、家族墓への納骨以外を希望するのであれば、きちんと記載しておきましょう。
残される家族のために
家族が亡くなると、残された遺族は短時間に様々な決断を迫られることになります。
しかし、あなたが自由に動けるあいだに、できることはたくさんありますし、そうすることで残された遺族の負担を大幅に軽減することも可能です。
葬儀社を選ぶ
もし何も決まっていないまま、あなたが亡くなった場合、遺族は早急に利用する葬儀社を決めなければなりません。
しかし、あらかじめ利用する葬儀社だけでも決めておけば、遺族は慌てることなく搬送依頼の連絡をすることが出来ます。
また、生前予約も出来ますので、可能なら葬儀社だけでも決めておくことをおすすめします。
ちなみにじいさんの母は、生前に地元の冠婚葬祭互助会に入っていたので、少なくとも搬送の心配をせずに済みました。
葬儀内容・プランを決める
利用する葬儀社を決めるためには、葬儀内容やプランについて知っておく必要があります。
葬儀社のホームページを見たり、資料を取り寄せたり、葬儀社の無料相談会に参加したりすることで、プランや内容について知ることが出来ますし、大まかな内容を事前に申し込んでおくことも可能です。
資金を準備しておく
葬儀を行うには数十万円、葬儀の規模によっては数百万円の資金が必要になります。
基本的には喪主になる方が費用を負担することになりますが、ご自身で資金を用意しておく方法もあります。
かつては葬儀式の準備と言えば、冠婚葬祭互助会に積立金を預けるというのが一般的でしたが、現在では『葬儀保険』を利用するなど様々な方法があります。
このあたりについては【心配無用】葬儀費用を用意する方法と費用の抑え方にて詳しく解説していますので、そちらを参考にしてみてください。
利用する寺院や僧侶を決めておく
もしあなたが寺院の檀家になっている場合は、通夜・葬儀については菩提寺の僧侶に依頼するよう、喪主をつとめる方にあらかじめ伝えておく必要があります。
また、近年では菩提寺を持たない方も多くなっており、付き合いのある僧侶がいないことも少なくありません。
そういった場合は、葬儀社で僧侶の手配をしてくれるところもありますので、生前申し込みをしておけば安心です。
納骨方法・納骨先を決める
菩提寺の墓地や、公営・民営の霊園に建てられた家族墓に納骨する場合は、特に問題はありませんが、それ以外の納骨先を希望される場合は、事前に家族とよく話し合っておく必要があります。
現在では「永代供養墓」や「樹木葬」「海洋散骨」など様々な選択肢がありますが、信心深い方や高齢の方などは、今でも家族墓以外への納骨に抵抗を感じることが多いようです。
もしご自身が、家族墓以外への納骨を希望されるのであれば、あらかじめ親族に事情を説明して同意を得ておくことをおすすめします。
財産目録
あなたが亡くなったあと「遺産相続」が行われます。 相続人が知らない資産があった場合、あとでトラブルになることも少なくありませんので、一覧表などにして、記載しておくと良いでしょう。
もし、預貯金だけでなく、所有する不動産や動産、株などの資産があれば、簡単なもので良いので目録を作っておいた方が良いと思います。
まとめ
本質的に『エンディングノート』とは、葬儀などのために書くものではなく、あなたが亡くなったあとに残された家族が、あなたの存在を感じるためのものだと、じいさんは考えています。
じいさんは、亡くなった母が書いた買い物メモや、どうでもいいような書付など、母が書いたものを今でも大切に保管しています。
他の人から見たら、ただの紙屑かもしれませんが、じいさんにとっては貴金属や宝石よりも価値のある形見になっています。
『終活』などと大仰に構える必要はありませんので、普通のノートを一冊用意して備忘録やメモのように、書いてみてください。残された遺族にとっては、何よりの贈り物になると思います。
市販されている『エンディングノート』には、数多くの項目が記載されていますが、すべて書こうと頑張る必要はありません。
自分が家族に伝えておきたいメッセージや、見送られ方についての希望など、その時々で思いついたことや書きたいと思ったことだけ書けばよいと思います。
また、葬儀やお墓について特に希望が無い場合は「特に無し」「お任せします」など一行だけ書いておけば良いと思います。
家族を亡くした遺族というものは、多かれ少なかれ後悔するものです。
「元気なうちに、もっと話しておけばよかった」「他にも何かしてあげられたんじゃないか」などの気持ちが、次々と押し寄せます。
通夜・葬儀の準備や、様々な手続きの忙しさは、悲しみや苦しさを一時まぎらわしてくれますし、忙しく立ち働くことで、少しだけ罪滅ぼしをしている気になるものです。
葬儀などで遺族が苦労することは、決して悪いことばかりではありませんので、あまり気にしすぎないようにしてください。
もし、今これを読んでいるあなたが40代・50代なら、今はまだ終活を考える必要はないと思います。
それよりも、ご両親や祖父母が健在なら『エンディングノート』など必要ないくらいに、たくさん話をしておいてください。
もし この記事が誰かの役に立てば幸いです。
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