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【宗派別】通夜・葬儀のマナーや手順

2021年2月27日

ども まことじいさんです。

葬儀に参列する際、焼香や香典の表書きなどについて迷ったことはありませんか?

葬儀に参列する際に、じいさんは基本的に前の人の真似をするようにしているのですが、後ろに並んでいるので良く見えなくて困ることもあります。

葬送儀礼は宗派別にそれぞれの作法がありますが、事前に知っていれば安心ですよね。
そこで今回はそのあたりをまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。

通夜・葬儀に参列する際に最も大切なこと

通夜・葬儀に参列するにあたっての心構えとして、大切なことなので最初に書きます。

日本人はとかく作法を気にしがちですが、通夜・葬儀に参列する際に最も大切なのは作法ではありません。
焼香の回数を間違えても、お香典を渡す向きが逆だったとしても、さほど気にすることはありません。
厳粛な場ですので「間違えたくない」「失敗するわけにはいかない」という気持ちはよくわかります。

しかし、一番大事なことは亡くなった方の死を悼み、故人の冥福を心から祈ることなのです。
この本質さえ理解していれば、失敗など恐れる必要はありません。

お焼香について

焼香とは

焼香とは、葬儀や法要で香を焚き、故人や仏を拝む行為の事です。

仏教では焼香の香りは仏の食物であると考えられており、故人や仏様に食事を楽しんでもらい、あの世での幸せを祈るために焼香をすると言われています。
また、焼香する側の邪気を祓って、精神と肉体の穢れを取り除くためとも言われています。

香には、香木を刻み混ぜ合わせて粉末にした抹香や、香料を棒状にした線香がありますが、葬儀では抹香を使って焼香をすることが多いようです。
抹香をつまみ、額に近づけて目の位置より高く掲げる事を『押しいただく』といいます。

焼香を行う理由

仏教の教えでは、極楽浄土は良い香りに満ちているとされています。
そのため葬儀の際には、良い香りや煙によって「故人が迷わず極楽へ旅立てるように」との願いを込めて焼香をあげるのです。

香りは隅々まで広がりすべての人に平等に行き渡ることから、焼香は仏の慈悲が隅々まで広がることを表します。
また、時間が経過するにつれ焼香の香りは消え灰になっていきますが、これは「人は誰でも皆、命を終えて消えゆく存在である」ということを象徴しているようです。
また香を焚く行為は、万物はうつりかわっていくという無常観、仏の悟りを教えているとも言われています。

お焼香の回数

お焼香にも各宗派にそれぞれ作法があります。主な宗派別の作法を一覧にしてみました。

宗派抹香線香
天台宗3回額に押し頂く線香3本を立てる
真言宗3回額に押し頂く線香3本を立てる
日蓮宗3回額に押し頂く(1回の場合もあり)線香1本を立てる
浄土宗3回額に押し頂く1本の線香を2つに折って立てる
浄土真宗本願寺派押し頂かずに1回香炉に落とす1本の線香を2つに折って寝かせる
浄土真宗大谷派押し頂かずに2回香炉に落とす1本の線香を2つに折って寝かせる(火をつけずに立てる場合もあり)
臨済宗1回額に押し頂く線香1本を立てる
曹洞宗1回押し頂き、2回目はそのまま香炉に落とす線香1本を立てる
地域によって若干の違いがあります

お焼香の手順

自分の順番になったら、焼香台の2~3歩手前で遺影や位牌に目をやり一度合掌します。

焼香台の前に進み焼香を済ませたら再度合掌し、僧侶・遺族に向けて軽く一礼したのち席に戻ります。

焼香の際の抹香は、親指と人差し指・薬指の三本の指でつまむようにします。

Life.さんの『焼香の手順はこれでバッチリ!宗派別の流れとマナーを紹介』より引用

TEARさんの『ご焼香』のページでは宗派別の動画も用意されていますので、参考にしてみてください。

お香典について

香典袋

葬儀の際のお香典の金額は、友人・知人などは5千円から1万円程、親族では関係性によりますが1万円から10万円程が相場と言われています。

金額が1万円までなら、コンビニなどで購入できる黒銀の水引が印刷された封筒タイプで問題ありません。

それ以上の金額を入れる場合は、装飾性の高い双銀や黒白の水引のついた、和紙で包むタイプを使用する方が無難です。
また、西日本では黄白の水引を用いる地域もあります。

内袋が付いた物の場合は、表面中央に「金参萬円」などと金額を記入し、裏面に住所・氏名などを記入します。領収書ではないので也は不要です。

縦書き漢数字の書き方

漢数字も、縦書きの場合は通常とは書き方が異なります。

1~9までは、壱弐参四伍六七八九、10~10000までは壱拾、壱百、壱千、壱萬のように書きます。

表書き

通夜・葬儀の際の香典袋の表書きは一般的に『御霊前』と記入します。
通夜・葬儀に参加できず後日お線香をあげに訪問する際も、四十九日の法要までは『御霊前』を用います。

神式やキリスト教式の葬儀の際も『御霊前』で問題ありませんので、もっとも無難な表書きです。

表書きを記入する際は、ボールペンやサインペンではなく薄墨の筆または筆ペンを使用します
薄墨を用いるのは、『亡くなった方を思うと涙で墨が薄くなってしまった』などの意味があるとされています。

浄土真宗の場合は御仏前

注意しなければならないのは浄土真宗の場合です。

浄土真宗の教えでは、自力ではなく本尊である阿弥陀如来の本願力(他力)により、亡くなってすぐに成仏する(往生即成仏)と考えられていますので、葬儀の際も御霊前ではなく『御仏前』を用います。

お香典の渡し方

お香典は、受付担当者側が正面になるように渡します
袱紗に包んで持参し、式場の受付で袱紗を開いて渡すと、より正式な渡し方になります。

本来の袱紗は風呂敷状ですが、慶事と弔事では包み方が逆になるなど使いにくいため、最近ではケース型の物を利用する方が増えているようです。

お布施の場合

葬儀の際、喪主の場合は葬儀を担当する僧侶にお布施を渡しますが、お布施に用いる封筒は無地の白封筒を用います。

また、薄墨で書く必要はありません。
これは、僧侶自身に不幸があった訳ではなく、葬儀を執り行う僧侶やご本尊へのお礼としてお布施を渡すからです。

因みに、お墓や仏壇、位牌などの開眼供養を行ってもらう際のお布施は、慶事なので紅白水引の封筒を使用しても良いとされています。

お布施を渡すときは、正式には切手盆の上に袱紗を開いた状態で、相手側が正面になるように渡します。
最近では袱紗の中に台紙が付いているものもありますので、そういった袱紗を利用すれば問題ありません。

また、お車代などを一緒に渡す場合は、お布施が一番上になるように重ねます。

喪主の方は通夜・葬儀を迎えるまでに済まさなければならないことが、想像以上に多いです。
詳しい内容を『【通夜・葬儀】事前に準備しておくべきこと』で解説していますので、是非ご一読ください。

服装について

通夜

通夜に参列する場合は、仕事帰りになることも多いので、喪服である必要はありません。

男性は、落ち着いた色のスーツに白シャツを着用し、黒のネクタイを締めます。
女性も、地味な色のスーツやワンピースであれば問題ありません。

男女とも靴は黒が好ましいとされています。

黒の腕章は遺族が喪に服す意味で身に付けるものなので、本来遺族以外の着用は必要ありません。

葬儀

葬儀の際、遺族は喪服を身に付けますが、遺族以外は地味な平服で問題ありません。

女性が喪服を着用する際は、基本的に結婚指輪以外のアクセサリーは付けませんが、パールやオニキスは付けても良いとされています

ただし、気を付けなければならないのはパールのネックレスです。
二重のパールのネックレスは、不幸が重なることを連想させますので、通夜・葬儀ではタブーとされています。

地域によっては、現在でも参列者は全員『白の一重の着物』を着用するなど、独特の風習があるところもありますが、一般的には基本的に地味な服装であれば問題ありません。

タイツはダメなの?

時折、喪服の際は黒か肌色のストッキングを着用すべきで、タイツは失礼などという人もいますが、あまり根拠がない都市伝説みたいなものなので、寒い時期は黒いタイツでも全く問題ありません。

これは僧侶に直接確認したので間違いありません。

『寒い中で葬儀に参列される場合は、我慢してストッキングに拘る理由などない、むしろ故人が心配するでしょう?』とのことでした。

そもそも、ストッキングもタイツも近代になって、洋装文化と共に日本に入ってきたもので、欧米でも葬儀にタイツはNGなどという文化はありません。

公益社 お通夜・告別式の服装のことより引用 https://www.koekisha.co.jp/manner/fukuso/

まとめ

様々な儀式では、普段とは違った決まり事がそれぞれ存在しますが、フォーマルな場ではそれなりに決まりごとに従う必要があります。

しかし葬儀において最も重要なのは、形式よりも故人の死を悼み、遺族を思いやる気持ちです。焼香の回数を間違えたり、香典の渡し方が逆向きだったとしても、さほど気にする必要はありません。

じいさんの経験から言わせてもらうと、遺族にとっては遠方からわざわざ駆けつけてくれた親族や、忙しい中参列してくれた知人の存在だけで随分と気持ちが救われたものです。
子供たちの服装なんて黒っぽければ良いんです。

とかく日本人は細かいことを気にしすぎる傾向がありますが、本質さえ理解していれば多少の失敗は問題ないので、安心して参列してください

もしこの記事が誰かの役に立てば幸いです。